2019年チャンピオンズリーグのグループステージ。RBザルツブルグの一員として南野拓実（サウサンプトン）やアーリング・ブラウト・ハーランド（ドルトムント）らとともに、アンフィールドで地元サポーターを驚かせた韓国代表FWファン・ヒチャン。
ホーム戦でも世界の強豪相手に善戦し、3トップの名前は一気に広まった。生まれつきのスピードで相手ディスフェンスを置き去りにし、見事な俊敏性でマークをかわす。フィジカル面も強く、簡単には倒れない。世界一のセンターバックとの呼び声も高いオランダ代表フィルジル・ファンダイクを出し抜き、滑らせたシーンはいまでも印象的だ。
勢いそのままに、冬の移籍市場で南野はリバプールへ、ハーランドはドルトムントへと旅立ち、ファン・ヒチャンもクラブを離れると考えられたが、当時は残留を決断。2選手に遅れること半年、プレミアリーグ王者やウルヴァーハンプトン・ワンダラーズからもオファーが提示されていたと言われていたものの、最終的にはRBライプツィヒへ完全移籍を選択した。
しかし、新天地では苦戦。新型コロナウイルスにも感染し、回復まで時間がかかったこともあり、ユリアン・ナーゲルスマン監督のお気に入りとはなれず、先発出場はカップ戦の1試合のみ。ベンチ外でメンバー入りすらままらない試合も多く、リーグ戦では15試合で出番を得ているが、そのすべてが途中投入となっている。困難なシーズンを象徴しているのがリーグ戦での得点とアシスト数。現時点でどちらもゼロと、全く数字を残せていない。
それでも、RBザルツブルクでは16ゴール22アシストを記録した同選手の評価は低下していないみたいだ。『Sport 1』が報じたところによれば、リバプールの街を二分するライバル・エバートンが韓国代表の獲得に興味を示している。移籍金は1300万ポンド（約18.2億円）前後に設定されているとのこと。
エバートンはボーンマスから今シーズン終了までの契約期間でノルウェー代表ジョシュア・キングを獲得。クラブはパフォーマンスには納得しておらず、契約延長オプションが付随しているが行使はされない見込み。その後釜として、RBライプツィヒFWに関心を寄せている。
レアル・マドリードが獲得レースを優位に進めているとされるノルウェー代表FWアーリング・ブラウト・ハーランドにも、プレミアリーグ移籍の可能性は消えていない。南野拓実の去就も不透明だが、かつてザルツブルクで驚異的なプレーを披露したスリートップがイングランドで活躍するかもしれない…