PSVアイントホーフェンでの実績が認められ、マンチェスター・ユナイテッドに降り立った快足ウィンガーはプレミアリーグの洗礼とチグハグしたクラブ運営の影響により、キャリアは下降線を辿った。再起を図るため、フランスへと新天地を求めたのが、2017年1月。
オリンピック・リヨンへ加入したオランダ代表FWは、通算177試合76ゴール53アシストと驚異的な数字を残し、得点だけではなく攻撃も組み立てられるフォワードとしてチームに貢献し続けた。キャリアはふたたび軌道に乗り、ビッグクラブがこぞって関心を示すほどに盛り返した。
今シーズン限りでリヨンとの契約満了となる元マンチェスター・ユナイテッドFWには、オランダ代表で選手と指揮官の関係にあったロナルド・クーマン監督率いるバルセロナが強い関心を示す一方で、前線の強化を狙うリバプールも獲得に興味を持っていると言われている。
バルセロナで家探しをしていると報道が出ている通り、第一優先はスペインへの移籍だろう。ただ、新会長の方針がいまだ鮮明ではなく、リーグ優勝を逃しチャンピオンズリーグもベスト16止まりの指揮官を解任するのではないかとの噂が付きまとう。
オランダ人指揮官が退任となれば、マンチェスター・シティを退団したアルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロが加入濃厚なクラブにとって、さらなるフォワードは不必要となり、そもそも獲得を見送ることになる確率が高い。
リバプールにとっては、今季36試合20ゴール10アシストを叩き出しているストライカーを迎え入れるのは最奥の補強になり得る。サディオ・マネが不調に陥り、近年はオフなく稼働を続けるフロントスリーだけに、バックアップ陣を整えたい。
ディオゴ・ジョッタが加入早々に大活躍。期待の若手FWハーヴェイ・エリオットが復帰しているが、プレミアリーグでどこまで活躍できるかは未知数だ。ディボク・オリギは満足いくパフォーマンスを披露できずに退団濃厚で、シェルダン・シャキリも同様の理由で放出されるだろう。日本代表・南野拓実も計算が立つとは言い難く、新たなフォワードを欲する気持ちも理解できる。
『L’Equipe』とのインタビューに応えたメンフィス・デパイは、自身の将来については明言しなかったものの、バルセロナからの興味があったこと、そして決断を下す前に今夏開催のユーロ2020に集中していることを強調している。
「バルセロナは関心を示してくれたけど、興味を持ってくれているクラブは彼らに限った話ではない。現時点ではどのクラブとも、なにも決まっていないよ。」
「まずはユーロに全神経を傾けたい。将来に関する決断だけに、熟考する時間を設けたい。」
「いまは自由とフットボールを楽しんでいるよ!」
シーズン終了とともに動き出しそうな印象もあるが、本人がユーロにフォーカスしたいと述べており、次のクラブについての正式発表も今夏以降になりそうだ。個人的にはリバプールに加入して欲しいのだが、エージェント・ファンダイク発動はあるのだろうか…?