プレミアリーグ奪還を目指すリバプールは、RBライプツィヒからフランスU-21代表DFイブラヒマ・コナテ獲得に成功しており、昨シーズンには非常事態に陥った最終ラインの補強を実施。他のポジションにおいても補強を狙っており、数々の選手たちの名前が浮上しては消えていっている。
契約満了に伴いチームを離れたジョルジニオ・ワイナルドゥムの後任探しは佳境を迎えており、ロベルト・フィルミーノのバックアップとして、得点感覚に溢れるセンターフォワードもまた優先順位が高いポジションと言える。
若手DFアダム・ルイスやオランダU-19代表DFセップ・ファン・デン・ベルフのローン移籍が決まっており、今後も若手プレーヤーのレンタル移籍が成立していくだろう。人員整理も含めた選手売却もここから本番を迎えるため、移籍市場は本格的に騒がしくなっていく。
リバプールでも多くの選手たちに退団の噂が巻き起こっており、売却で得た資金を強化すべきポジションに適したプレーヤー獲得に充てたい思惑もある。とくにバックアップ陣のメンバー構成が大きく変わるかもしれない今夏。10名のリバプール戦士たちに売却の可能性があり、それぞれに注目していきたい。
ナサニエル・フィリップス
昨シーズンの救世主と言って過言ない。主力センターバックに負傷が相次ぎ、昨夏には退団も迫っていた元ボルトンDFナサニエル・フィリップスは見事に代役を務めた。主力組の復帰に加えて、DFイブラヒマ・コナテの加入で序列は下がり、24歳と決して若くない年齢だけに、出場機会を求めて退団するストーリーも否定できない。
ニューカッスル・ユナイテッドやバーンリーらが関心を示していると噂されており、移籍金1500万ポンド(約21億円)が設定されている。今夏にはユルゲン・クロップ監督の話し合いが行われる予定で、話し合い内容次第では選手の去就に影響が及ぶかもしれない。
ネコ・ウィリアムズ
ウェールズ代表には選出されているものの、クラブレベルではスタメンの座を確保するに至っていない。プレミアリーグを代表する右サイドバックでもあるトレント・アレクサンダー=アーノルドの壁は厚く、来シーズンもベンチを温めることになりそうだ。
出番の少ない状況を危惧するウェールズ代表DFはローンでの移籍が濃厚に思われていたが、リバプールは完全移籍を容認する構えであることが報じられており、1000万ポンド(約14億円)前後のオファーであればチーム退団が実現しそうな気配。
ハリー・ウィルソン
昨年に引き続き、リバプールが売却先を探すウェールズ代表FW。昨シーズンはバーンリーへの完全移籍交渉が頓挫した結果、レンタルで加入したカーディフ・シティで37試合7ゴール12アシストと見事な成績を残しており、24歳になったウィンガーを求めるクラブは多い。
リーズ・ユナイテッドやカーディフ・シティ、WBAなどプレミアリーグやチャンピオンシップ問わず関心を寄せられる同選手の退団は避けられない。国外からはベンフィカが獲得に乗り出しており、1500万ポンド(約21億円)ほどの移籍金を望むリバプールが満額を得られるかが注目ポイントになる。
シェルダン・シャキリ
EURO2020ではスイス代表の攻撃を司るプレーメーカーであり、得点も積み重ねる絶対的な存在。しかし、リバプールでは度重なる負傷の影響もパフォーマンスレベルが上がらず、またポルトガル代表FWディオゴ・ジョッタの加入もあり、満足のいく出番が得られていない。
昨年夏にも完全移籍に迫ったと言われる元ストーク・シティFWには、ドイツをはじめヨーロッパ各国から関心を集めている。リバプールは完全移籍での放出を望んでおり、EURO2020が終了次第、交渉は本格化するだろう。
ディボク・オリギ
チャンピオンスリーグ制覇の立役者にも数えられる元ベルギー代表FWも放出候補の筆頭。バルセロナ戦での大逆転ゴールがフィーチャーされがちだが、リーグ戦では目立った活躍を見せられずにベンチを温める日々が続いている。
彼もまたポルトガル代表FWディオゴ・ジョッタの加入により序列を下げており、ハーヴェイ・エリオットもローンから戻る来シーズンはさらに厳しい戦いが待ち受けており、新天地への移籍が既定路線。代表復帰を目指すためにも、リバプール退団は避けられない。
マルコ・グルイッチ
リバプール加入以来、ローンを繰り返しているセルビア代表MFマルコ・グルイッチも人員整理の対象。レンタルで移籍したヘルタ・ベルリンでの活躍や昨シーズンのポルトへのレンタルではまずまずのプレーぶりを見せているが、アンフィールドで定位置の確保には至っていない。
余剰人員として完全移籍でのチーム退団が濃厚で、1500万ポンド(約21億円)に移籍金を設定していると言われる。ポルトが値下げを要求しているとも噂され、移籍先との交渉に憂慮しているものの、多少の値引きしてでも今夏での放出は止むを得ない。
ロリス・カリウス
チャンピオンズリーグ決勝での失態から脱却できずにいるドイツ人GKロリス・カリウス。 2018年からローンで加入していたベシクタシュでは出番を得ていたが、契約問題で退団。昨シーズンはウニオン・ベルリンにレンタルされるが、ほとんど出場機会はなかった。
他の売却候補とは異なり、移籍先探しは困難を極める。移籍金もさしては望めず、来年6月の契約満了を待たずに契約解除すら考えられる。リバプールでの未来はなく、プレーヤーとしても厳しい立場に置かれている。
南野拓実
日本代表エースも当落線上におり、今夏での退団も叫ばれている。昨シーズンにはクリスタル・パレス戦で待望のリーグ初ゴールを奪った直後から出番を失い、今冬の移籍市場で半年間レンタルでサウサンプトン移籍。加入後3試合は2ゴールを決めるなど活躍したが、存在感は徐々に薄れていった。
サウサンプトンは日本代表FWの獲得を検討しており、リバプールとも話し合いの場を設けた模様。依然としてユルゲン・クロップ監督からの評価は高く、最低でもプレシーズンへの参加を希望している。もう1シーズン…様子見もあり得るか?
ベン・ウッドバーン
かつての神童も、いまや21歳。17歳でプレミアリーグデビューを飾ったウェールズ代表FWの未来は順風満帆に思えた。しかし、その後は伸び悩み、シェフィールド・ユナイテッドやオックスフォード・ユナイテッドなどへのローン移籍も助けになっていない。
復調が期待されつつも、来年には契約満了を迎える。昨シーズンもリーグ戦での出場はなしと、好霊場の契約延長は期待できない。少しでも移籍金を得るためにも、リバプールが今夏の移籍市場での売却を決断しても何ら不思議はない。
ベン・デイビス
今年1月にプレストン・ノースエンドから加入したDFベン・デイビスも売却対象のひとり。完全移籍以来、一度たりとも出番を与えられずに、同時時期に加入したトルコ代表DFオザン・カバクや若手DFリース・ウィリアムズに後塵を拝した。
DFイブラヒマ・コナテが加わったいま、立場はさらに悪くなる一方。緊急補強の側面も強く、枚数をとりあえず確保した印象もあり、半年間での放出も考えられる。移籍先の候補には、セルティック(スコットランド)やボーンマスなどが挙がっている。
セイ・オジョ、カミル・グラバラ、タイウォ・アウォニイらアカデミー選手たちも放出候補に上がっており、リバプールからの退団が囁かれている。10人の中で、はたして何人が退団することになるのだろうか…
なお、主力組でいえば、ギニア代表MFナビ・ケイタあたりにも移籍報道が絶えず出ており、選手の去就に注目が集まっている…