2018年にブラジルからトリノ(セリエA)移籍を果たしたDFグレイソン・ブレーメル。ブラジル代表に招集経験こそないが、過去数シーズンにおけるパフォーマンスは高く評価されており、イタリア国内のみならず、ヨーロッパの強豪クラブが動向を追っている。
現時点で国内リーグ13位に沈むトリノは得点力に悩みながらも、失点数はわずか “18” のみ。守備の固さは中位以下のクラブを圧倒しており、ユベントスやACミラン、インテル・ミラノらトップチームと見比べても差異はない。
その中心として抜群のディフェンスをリードしているのが、ブラジル人DFグレイソン・ブレーメル。筋肉質の上半身を駆使したフィジカルバトルに負ける回数は少なく、空中線でも力を発揮する。インターセプトにも優れ、試合を読む能力も高い。
今シーズンも16試合に出場しているディフェンスリーダーを務める同選手には、リバプールやトッテナム・ホットスパー、ウェストハムらプレミアリーグで上位を争うクラブたちが獲得を狙っており、熾烈な争奪戦を繰り広げていると、『Calciomercato』が報じている。
しかし、トリノFCウルバーノ・カイロ会長は最終ラインで重要な役割を担うセンターバックを、最低でも来年1月の移籍市場での売却を全面否定している。元アトレチコ・ミネイロDF獲得を目指すクラブは、来年の夏まで待たなければならないようだ。
「絶対にあり得ない。」
「今のところ、(退団の可能性について)誰とも話していない。ブレーメルは我々の選手のひとりだ。1月に彼を売るなんて、考えたこともない。」
「今シーズン終了までは、一緒にいてくれるだろう。その後ついては、またその時にわかることさ。」
リバプールは直近でセンターバックを必要としておらず、5番手として控えるナサニエル・フィリップス売却を容認している。つまりは、ファンダイクやマティプ、コナテ、ゴメスの4人で充足しているという証拠と言える。
トッテナムは、イタリアとの繋がりが強い。アントニオ・コンテ監督が就任し、スポーツ・ディレクターであるファビオ・パラティーチはそれぞれインテルとユベントスでセリエAを熟知しており、トリノDFのプレーも間近で体感していた。
一方、ウェストハムはセンターバックに負傷者が相次いでおり、新たなディフェンダーの獲得が急務だ。ナット・フィリップスにも接触していると伝えられる同クラブもまた、ブラジル人DFを候補のひとりに据え、好機を伺っている。
さらには、チェルシーなど複数クラブが浮上しており、会長の否定にも動じず、この冬での移籍も考えられる。はたして、将来のブラジル代表DFの新天地はどこになるのだろうか…?