ジョルジニオ・ワイナルドゥム退団以降、中盤での強度が低下してしまっている印象のあるリバプール。加えて、攻撃のタクトを振ることが期待され、バイエルン・ミュンヘンから加入したスペイン代表MFチアゴ・アルカンラタもベンチ外で過ごすことも多く、新たなミッドフィルダーの必要性が叫ばれて久しい。
昨年の夏には、まさにオランダ代表MFの後継者として数々のミッドフィルダーが、リバプールから関心を寄せられているという報道がメディアを賑わした。ユーリ・ティーレマンス(レスター・シティ)やイヴ・ビスマ(ブライトン)、レナト・サンチェス(LOSCリール)らは連日のように名前を目にするほど。
最終的には誰も獲得せず、この冬にも中盤の選手への動きで言えば、攻撃的ミッドフィルダーであるフラムMFファビオ・カルヴァーリョのみ。今年の夏の加入に向けて、リバプールとフラムとの話し合いが進行中であり、ライバルたちが参入する前に、移籍を決定的なものにしてしまいたい。
ポルトガル生まれのイングランドU-18代表MFだが、より攻撃的な選手だ。リバプールの陣形には ”トップ下” のポジションは存在していないが、高い位置でプレーし、チャンスメイクを行えるタイプの選手であり、ディフェンス面で強みを持つかと言われれば疑問符が付く。
もっと低い位置の中盤で、ピッチ全体を走り回れる運動量を持った選手が必要なリバプールにとって、フラムMFとは別に選手を獲得しなければいけない。
ナビ・ケイタやアレックス・オックスレイド=チェンバレンらが真ん中でのプレーが安定しておらず、ジョーダン・ヘンダーソンも今年6月で32歳を迎える。大ベテランのジェームズ・ミルナーの去就も不透明で、ハーヴェイ・エリオットやカーティス・ジョーンズにも過剰な期待は無用だ。
『Sport』によると、リバプールはバルセロナに所属するオランダ代表MFフレンキー・デ・ヨングに関心を寄せている。バイエルン・ミュンヘンも同じく関心を抱いており、高額になると予想される移籍金も支払う準備ができているそうだ。
2019年の夏にアヤックスからバルセロナ移籍を果たしたオランダ代表MFは、以来中盤に欠かせない選手へと成長。巧みなテクニックとビジョン、パス精度の高さなどを駆使し、幾度となくチャンスメイクを行う。ディフェンスが強いわけではないものの、守備にも奔走できるタイプだ。
しかし、今回の報道が実現する可能性は限りなくゼロに近い。まずは、リバプールが適正価格以上の移籍金を支払うことがあり得ない。まして、チアゴやエリオット、ファビーニョがおり、いますぐ獲得しなければいけないポジションでなく、大金を投資する理由がないことを証明する。
また、求めるタイプとも少し異なる。攻撃的センスだけで言えば、獲得に近づいていると言われるフラムMFファビオ・カルヴァーリョで事足りる。リバプールに必要なのは、もっと中盤でハードワークができ、時には守備的ミッドフィルダーとしてファビーニョをバックアップできる人材だろう。
もしもアンフィールドでプレーする機会があれば、一度いいから見てみたいのは山々。それでも、バルセロナでの存在感を鑑みれば、安価で手放すわけもなく、今回の記事はゴシップとして楽しみたいところだ…