サウジアラビアから超巨額な資金が投じられることになったニューカッスル・ユナイテッドは、この冬の移籍市場で注目クラブのひとつだった。残留争いから脱するためにも、チームを率いるエディ・ハウ監督は非常に堅実な補強を敢行。
アトレティコ・マドリードからはイングランド代表DFキーラン・トリッピアーの獲得を皮切りに、ニュージーランド代表FWクリス・ウッドやブライトンDFダン・バーン、アストン・ヴィラDFマット・ターゲットを次々に補強すると、現役ブラジル代表MFブルーノ・ギマランイス獲得にも成功し、着実に戦力アップを図った。
新戦力の活躍もあり、一気に残留圏から抜け出したニューカッスルだが、さらなる強化を目指して、今夏の移籍市場でも注目されるだろう。そんなクラブは、この冬にリバプールから元イングランド代表MFアレックス・オックスレイド=チェンバレン獲得を狙っていたと、『Times』が報じている。
来シーズンの終わりに現行契約が満了する同選手は、ジョーダン・・ヘンダーソンやチアゴ・アルカンタラ、ファビーニョらの厚い壁に阻まれて、スタメン確保には至っておらず、出場機会に対して不満を持っているとも伝えられている。
主力が離脱している期間は中盤やウイングでプレーしていたものの、スタメン組の復帰とともにベンチを温める要員へと逆戻り。過密日程も相まって、29試合3ゴール2アシストと数字は残しているが、重要な試合ではスタメン外が多く、序列は決して高くない。
そんな状況で苦しむ元イングランド代表ミッドフィルダーに対して、ニューカッスルは獲得に向けて動き始めていたようだ。しかし、同クラブFWジョーリントンが中盤で大化けし、いまでは欠かせないミッドフィルダーへと転向を果たしたことで、エディー・ハウ監督の優先度は下がっていった。
それでも、今夏での退団の可能性は燻っている。左右のウイングと中盤でプレーできる柔軟性はチームにとって貴重な戦力であり、ときには素晴らしいパフォーマンスを見せるが、安定性に欠ける部分は否めない。
今年の夏は、カタールW杯を前に最後の移籍市場になるため、出場機会を求める選手たちの大移動が起きるかもしれない。リバプールでは、同じくイングランド代表復帰を目論むジョー・ゴメスの退団が頻繁に報じられており、ウェールズ代表DFネコ・ウィリアムズもそのままフラム移籍もあり得る。
より選手が動きやすくなる夏。ニューカッスルの大型補強に注目をしつつも、リバプールの陣容がどのように変わるのか、そして2023年で契約満了になる主力選手たちとの延長交渉にも関心を寄せざるを得ない…