リバプールの攻撃陣を引っ張るのは、プレミアリーグでも屈指のアタッカー陣だけではない。トレント・アレクサンダー=アーノルドとアンディ・ロバートソンは、サイドバックというポジションにも関わらず、数々のチャンスを作り出し、ゴールすら奪ってみせる。
毎シーズンのように、二桁アシストを記録している両サイドバックは、ゴール前まで攻め上がり、世界的に見ても攻撃的かつ守備もできるサイドバックの走りとも言える。さらには、あれだけタイトな日程をこなしつつ、怪我が少ないのも魅力的だ。
バレンシアで頭角を表し、2006年の夏にリバプール移籍を果たした元ブラジルU-23代表DFファビオ・アウレリオ。リバプールでは133試合4ゴール17アシストを記録し、怪我がなければもっと数字を残せたであろう。
かつてアンフィールドで左サイドバックとして活躍し、正確なクロスやプレースキックを武器にしていたファビオ・アウレリオは、現在のリバプールで絶対的な左サイドバックとして躍動するスコットランド代表DFアンディ・ロバートソンを完璧なサイドバックと評している。
「キャリアを通して、これまで何人もの素晴らしい左サイドバックを見てきた。守備に強い選手もいれば、攻撃的な選手もいる。」
「しかし、サイドバックの役割全体を見た時には、彼は守備も攻撃も完璧で、ゴールも決められるし、スピードもスタミナもあり、アグレッシブだ。」
「だから、彼はリストのトップにいるべきで、それ以外のことは言えない。彼が残している数字がそれを物語っているね。」
「彼らはこのポジションに必要なことをすべてこなしている。さっき(アンディ・)ロバートソンについて言った通り、(トレント・)アレクサンダー=アーノルドにも同じことが言える。」
「どちらも非常に完成されたサイドバックだ。どちらも試合を通してピッチをアップダウンし、数多くの試合に出場している。まさに、2人ともサイドバックになるために生まれてきたと言えるだろう。」
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今シーズンは、前シーズンや夏に開催されたEURO2020の影響を受け、さらにはプレシーズンで負傷したことで開幕ダッシュに失敗したスコットランド代表ディフェンダー。その間には、ギリシャ代表DFコスタス・ツィミカスが好調を維持し、首脳陣の起用に応え続けた。
それでも、アンディ・ロバートソンも徐々にコンディションを整え、昨年末くらいからは本来の動きが戻ってきて、交渉両面での激しさが復活。前線への攻め上がりの精度やタイミングもさすがの一言で、サディオ・マネとの熟練のコンビネーションも抜群だ。
総合力では、やはりギリシャ代表ディフェンダーを上回り、レギュラーの座をきっちりと確保している。代表チームではキャプテンを務めるなどリーダーシップも持ち合わせ、どんな選手にも臆しない強いメンタルも兼ね備える。
ツィミカスのパフォーマンスの向上が、確実にお尻に火を付けた印象もあり、両選手が切磋琢磨して、プレミアリーグを誇る左サイドバック陣容を形成している。
まだ28歳と、むしろ脂が乗り切った年齢を迎えているだけに、さらなる活躍が期待される。チャンピオンズリーグとプレミアリーグを制してきたスコットランド代表サイドバックが、ふたたび栄冠を得るために重要な役割を担ってくれるはずだ…