昨年の秋頃、パリ・サンジェルマンやRBライプツィヒらとともにリバプール移籍の可能性が盛んに報じられたレッドブル・ザルツブルクFWカリム・アデイェミ。2021年9月にはドイツ代表デビューも飾っている逸材獲得に向けた争奪戦は熾烈を極めた。
そんな中で、ボルシア・ドルトムントがレースを一歩リード。アーリング・ハーランドの退団が濃厚となっている同クラブにおいて、その後釜として獲得を目指しており、ドイツへの完全移籍は時間の問題のように思われていた。
しかし、まだまだ競争は続いているようだ。『Sky Sports Austria』によれば、ドルトムントは基本的な合意には至っているものの、最終合意までは道半ばであり、他のクラブがドイツ代表フォワードとの契約締結を横取りする可能性を残している。
さらに、リバプールは継続的に同選手の代理人と連絡を取り合っており、アンフィールドへの移籍にも含みを残している。ディオゴ・ジョッタ、ルイス・ディアスとフロントスリーの後釜候補を獲得したリバプールだけに、あとは右ウイングを任せられる選手の獲得は必須の課題だ。
今季国内リーグやチャンピオンズリーグで、38試合20ゴールを記録している頼れるストライカーであり、最も代わりを探すのが難しいと言われるエジプト代表モハメド・サラーを上回る成績をあげるだけの非凡なポテンシャルを秘めている。
リバプールはジャロッド・ボーウェン(ウェストハム)やハフィーニャ(リーズ)らにも関心を寄せており、プレミアリーグを熟知している選手たちだけに、すぐさまチームにフィットできる可能性はあるものの、莫大な移籍金を要求されるかもしれない。
カリム・アデイェミについては、3500万ポンド(約49億円)前後で獲得できると報道されており、20歳という年齢を考えると、非常に割安価格にも思える。すでにCLも経験しており、年齢の割にはその経験値は他の若手選手に比べると群を抜いている。
リバプール・アカデミーにも有望な若手は豊富。ハーヴェイ・エリオットやカイデ・ゴードンらを筆頭に、将来的にトップチーム昇格を見据える逸材も多くプレーしている。ただし、まだ経験や身体が整っておらず、激しい試合を任せるのは難しい。
一時は、ボルシア・ドルトムント移籍が半ば確定と言われていたカリム・アデイェミ。どこまで両者間での話し合いが進んでいるかはわからないが、リバプールにもまだチャンスがありそうだ。とはいえ、ドイツ移籍が既定路線だが、リバプールは抜群の交渉力で選手側の心変わりを促せるだろうか…?