現役時代はリバプールでレジェンド級の活躍を見せ、710試合186ゴール150アシストと脅威的な数字を記録。ミッドフィルダーながら高い得点力に、豪快なミドルシュート、激しいタックルと、攻守両面で世界水準を兼ね備えたサッカー選手だった。
イングランド代表の常連でもあり、アカデミーから生まれた最高傑作と言えるほど。スリーライオンズではフランク・ランパードとともにベストポジションを見出せず、スター軍団の代表チームもまとまりに欠け、メンバーのネームバリューに対して大した成績を残せず現役を退いた。
指導者のキャリアは、古巣リバプールのユースチームから。コーチとして就任後、2017年からはU-18チームの指揮官に昇格。しかし、生まれ故郷に長く滞在することはなく、2018年にはレンジャーズ（スコットランド）に活躍の場所を移している。
その後、約3年間にわたり若手選手の多いレンジャーズを育て、昨シーズンにはライバルであるセルティックを寄せ付けずに無敗優勝という偉業を達成。その実績を買われ、今シーズンの前半戦に調子が上がらなかったアストン・ヴィラ監督の座に就いた。
この冬には元リバプールでともにプレー経験を持つブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョを獲得。若手選手の潜在能力を伸ばしつつ、的確な補強とベテラン選手の起用で、波さえあれど、それなりの成績を残している。
そんなアストン・ヴィラ指揮官には、将来的なリバプール指揮官への就任が噂され続けている。ユルゲン・クロップ監督の契約が2024年までとなっており、その後任として引き抜かれるのではと言われる中、同監督はイングランド代表でともに戦ったDFガリー・ネヴィルに将来の計画について赤裸々に語っている。
「多くの人は、僕に今後のプランがあると思っているが、実はこの先のプランはないんだ。みんなXが起きたら、YやZが起こると思っている。」
「僕のプランは、アストン・ヴィラをより良くすること。僕の計画はオーナーやファンに、いま育てようとしているチームを誇りに思ってもらうことだ。それが僕の唯一のプランだよ。」
「このレベルにおいては、自分のプランがいつまで続くか分からない。だからこそ、プランを抱え込んでいても意味がないと思う。」
The Overlap
現時点でリバプール移籍の噂を力強く否定した同監督。あくまで率いるアストン・ヴィラの成功こそが直近の目標と明かし、今シーズン中の成長ならびに来季での成長に視線が向けられている。リバプールDFジョー・ゴメス獲得に関心を示しているとも言われ、さらなる戦力アップを目論んでいる。
就任直後は勢いに乗り、毎試合で勝ち星を手に入れたアストン・ヴィラだが、少しずつ勝ちと負けを繰り返すように。まずはチームの安定感を増し、来シーズンには上位フィニッシュを狙えるチーム作りに専念する。
リバプールが同監督を引き抜きことを計画しているのは、おそらく間違いない。プレミアリーグを舞台に、アストン・ヴィラを引き上げることができれば、その先には必ずアンフィールドでの指揮が待ち受けていることだろう…