昨シーズンこそ、シーズンを棒に振る大怪我を負い、リハビリに励む日々を過ごしたリバプールDFフィルジル・ファンダイク。昨夏に行われたEURO2020にも間に合わず、ディフェンス・リーダーを失ったオランダ代表は守備陣が崩壊し、早々に大会を後にした。
しかし、オランダ代表センターバックは大怪我から完全復活し、今季も安定感抜群のパフォーマンスで守備陣を統率し、リバプールはふたたび強固なディフェンスを取り戻した。ハイラインで裏を狙われることも多いが、巧みなオフサイドトラップを仕掛けつつ、破られた場合には全速力で戻り、攻撃の芽を摘みまくる。
前線へのロングフィードも健在で、ほぼノーステップで対角線上に鋭いボールを送れる。後方から一気にチャンスメイクも行え、コーナーキックの際には最大のターゲットになる。フィルジル・ファンダイクはリバプールやオランダ代表で凄まじいほどの存在感を見せ付けている。
そんなオランダ代表のレジェンドであり、かつてレアル・マドリードやACミランでチャンピオンズリーグ制覇を経験したMFクラレンス・セードルフは、独特な視点から同国代表ディフェンダーがサッカーに集中できる生活を送っていると持論を展開している。
「先週、私が解説を担当しているストリーミングサービス “Amazonプライムビデオ” のため、リバプールに滞在していた。」
「イタリア人の友人たちと簡単に食事ができる場所を探し、気分転換のため、イタリアンレストランで食事を取ることになった。」
「”イル・フォルノ” は、カルロ・アンチェロッティがエバートンの監督を務めていた時代の行きつけで、多くのリバプール選手も定期的に訪れている。しかし、働くスタッフたちは、フィルジル・ファンダイクの名前を口にしなかった。それは偶然なのか？」
「オレンジ軍団（オランダ）のキャプテンは、所属するリバプールでタイトルを取ることに集中している。リバプールという街は、それにとても適している。私の意見だが、リバプールは退屈な街で、無意識に誘惑してくる要素があまりないんだ。」
「彼が醸し出す落ち着きは、水曜日のビジャレアル戦で行われたように、高い位置でプレッシャーをかけるユルゲン・クロップ監督のチームに大きな自信を与えている。」
「多くの人が彼のフィジカルの強さやスピードについて話すが、（フィルジル・）ファンダイクが危険な状況を打開した場面は、彼のゲームに対する洞察力と、素早く最善の解決策を選べる能力がが関係している。」
「リスクに晒されるのは、最高レベルでは避けられない。リバプールのファンは、ディフェンス・リーダーのおかげで何年も安心して眠れるし、イタリアンレストランでは彼のプライバシーが尊重されている。（フィルジル・）ファンダイクがいることで、オランダのサッカーはリバプールにおいて十分な存在感を示している。」
NRC