2015年にフリーでリバプールに活躍の場を求めた元イングランド代表MFジェームズ・ミルナー。加入以来、ユルゲン・クロップ監督が好むゲーゲンプレスの中心として重要な役割を担い、また高いユーティリティ性で、さまざまなポジションをこなしてきた。
アンディ・ロバートソンが加わるまでは、左サイドバックのレギュラーに君臨。本職の中盤でも豊富な運動量と球際の激しさで、ボールをすぐさま奪い返す。今季はジョー・ゴメスの調子が戻らなかった時期には、右サイドバックとしてトレント・アレクサンダー=アーノルドの控えを務めた。
副キャプテンとしても、チーム内での精神的支柱。出場するわけでもないのに、カラバオカップやFAカップで、リバプールが若手中心で戦った試合にはスタジアムに駆けつけ、若手を鼓舞し続けるなど、プレー以外での貢献度も非常に高い。
マンチェスター・シティから加わったジェームズ・ミルナーだが、今季で契約が切れる。リバプール首脳陣は契約延長を強く望んでおり、すでに1年契約での新オファーを提示している。一方で、他のクラブからも関心が届いている状況が続く。
『The Times』ポール・ジョイス記者によれば、元イングランド代表MFは今後についてまだ決断を下しておらず、このままリバプールに残るべきか、はたまたもっとレギュラーでプレー時間を確保できるクラブに移籍すべきかを熟考しているようだ。
カラバオカップならびにFAカップ決勝では、PK戦できっちりとゴールを奪い、1番手のキッカーとしての役割を果たした。さらには、プレミアリーグでは試合の終盤で投入され、プレー面と精神面で試合を終わらせる任務を淡々と遂行する。
リーズ・ユナイテッドやアストン・ヴィラ、ニューカッスル・ユナイテッド、マンチェスター・シティと数々のクラブを渡り歩いたジェームズ・ミルナーだが、リバプール移籍をする際の気持ちを明かしており、目標達成を果たしている。
「リバプールは素晴らしい歴史を持つクラブだが、これまでプレミアリーグで優勝したことがなく、不可解に思っていた。それ(リーグ優勝)が目標であったし、もしここでプレミアリーグを制覇することができれば、それは特別なものになると確信していた。あくまでプロセスであり、そのプロセスは素晴らしいものだったよ。」
The Mirror
個人目標は半ば達成しており、もしかするとリバプールに残留する必要はないのかもしれない。しかし、36歳となったいまでも重要な選手であることに変わりなく、首脳陣ならびに選手たちからの信頼は厚い。
サポーターからも愛される存在であり、マンチェスター・シティでプレーしていたことすら忘れるほどに赤色に染まっている。選手の幸せを考えると、サッカーをするために移籍は免れないが、なんとかアンフィールドに残留し、その能力およびメンタルを次世代へと受け継いでもらいたい…