現役時代はリバプールで最上級の活躍を見せ、その圧倒的なパフォーマンスでチームを牽引。ミッドフィルダーながら高い得点力に、豪快なミドルシュート、激しいタックルと、攻守両面で世界水準を兼ね備えたサッカー選手だった。また、そのキャプテンシーも桁違いで、”イスタンブールの奇跡” を成し遂げたチームの原動力になった。
イングランド代表の常連でもあり、アカデミーから生まれた最高傑作と言えるほど。スリーライオンズではフランク・ランパードとのポジションが被り、どちらの強みが活かせないまま。デイビッド・ベッカムやウェイン・ルーニーらスター軍団にも関わらず、
指導者のキャリアは、リバプールのユースチームから始まる。2017年からはU-18チームの指揮官に昇格。しかし、リバプールで長く指導することなく、2018年にはレンジャーズ(スコットランド)にステップアップを遂げた。
その後、約3年間にわたり若手選手の多いレンジャーズを育て、昨シーズンにはライバルであるセルティックを寄せ付けずに無敗優勝という偉業を達成。その実績を買われ、今シーズンの前半戦に調子が上がらなかったアストン・ヴィラ監督の座に就いた。
この冬には過去にリバプールでともにプレーしていたブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョを補強。若手選手の潜在能力を伸ばしつつ、的確な補強とベテラン選手の起用で、波さえあれど、プレミアリーグ1年目としては十分な成績を残している。
現役時代には時間を一緒にした経験こそないが、ユースチームのコーチ時代、さらにはU-18チームの監督を務めていた際には、トップチームを率いていたユルゲン・クロップ監督とも密にコミュニケーションを取っていた。
短い時間にも関わらず、ユルゲン・クロップ監督の存在や性格はスティーブン・ジェラードに影響を与えており、現役の最後をアメリカで終え、リバプールに戻ってくることになった同監督にもオープンな姿勢で向かいれてくれたクロップ監督の人間性を高く評価している。
「彼(クロップ監督)とは、とても居心地がいいんだ。彼は自信に満ち溢れているし、カリスマ性もある。これまで成し遂げたこと、そして彼の性格から、それを脅威とは感じていないと思う。」
「前任の監督ならそうだったかもしれないが、彼は常にオープンで、僕を迎え入れることを楽しみにしてくれていると感じていた。」
「アメリカに行っていたため、最初はメルウッドに戻るのは気が引けた。ある一定期間も外で過ごしてしまうと、もう自分の居場所がないように感じてしまっていた。」
「彼が犬の散歩をしているクロップに会うたびに、両手を広げているような、リアルな感じがするんだ。それは、彼がとても居心地がいい人間だからだと思う。」
「リバプールファンとしては、国内リーグで戦っている現在、発言には気をつけなければならないが、リバプールファンはユルゲン・クロップを楽しむべきだろう。彼は100万人に1人の存在になると思うし、それくらい良い人だと思う。」
The Overlap