2冠を達成したリバプールは、さらに2冠の可能性を残した状態でシーズン終盤に突入した。しかし、プレミアリーグではマンチェスター・シティの大逆転劇により、勝ち点差 “1” でリーグ2位で終えた。アストン・ヴィラが2点リードを奪った段階で、リバプールがリードできていれば…という “タラレバ” は尽きないが、終わったことだ。
そして、入場に際して、催涙弾が使われ、運営の不手際で開始時刻が36分も遅れたチャンピンズリーグ決勝では、主導権を握ったものの、レアル・マドリードGKティボー・クルトワのビッグセーブに見舞われる最中、先制点も奪われたリバプールはフォワードの枚数を増やし攻勢に転じるが、最後の最後までゴールネットを揺らせずに、準優勝で大会を終えた。
この試合でも引いて守る相手に手こずる場面が多く、とくに両サイドバックからピンポイントクロスが生まれない試合はさらに攻撃は手詰まり感を与えてしまう。今季はチアゴ・アルカンタラがそんな局面を打開してくれたが、ルカ・モドリッチの徹底マークが仕事を難しくした。
来季からは同じくテクニックに溢れ、局面を打開できるタイプのポルトガルU-21代表ファビオ・カルヴァーリョが加入するものの、プレミアリーグ経験に乏しく、どこまで本領発揮できるかは不透明。欲を言えば、もう1枚、実績のある崩しができるプレーヤーが必要になるやもしれない。
過去にはマンチェスター・ユナイテッドの右サイドバックで、プレミアリーグを代表する選手として君臨し、イングランド代表でも多くの試合をこなしたガリー・ネヴィルは、かつてのライバルチームに対して、デンマーク代表ミッドフィルダー獲得を提言している。
「クリスティアン・エリクセンはビッグクラブに引き抜かれると思う。」
「彼は、ブレントフォードがしてくれたことに対して、忠誠心を示すかもしれない。もし、あなたがトップ6のクラブで、3枚の中盤を考えていて、そこに入って30試合出場するような選手を求めていたとしたら…」
「マンチェスター・シティやリバプール、上位6チーム…どのクラブでもプレーできるだろう。毎週先発すべきとは言っていない。シェルダン・シャキリがリバプールでやっていた役割が近い。」
「リバプールがチアゴ・アルカンタラの代役となるミッドフィルダーを探しているなら、なぜクリスティアン・エリクセンに注目しないのか?過去2シーズンにおける彼の仕事っぷりを見てくれ。彼は素晴らしいプロフェッショナルで、素晴らしい選手だ。マンチェスター・ユナイテッド戦でのパスは、この世のものとは思えないほどだったよ。」
The Overlap
今夏で契約が切れるデンマーク代表MFは、チャンピオンズリーグ出場を目指し、より上位クラブ移籍を志願している。所属するブレントフォードも契約更新を試みているが、退団は濃厚と言われており、古巣トッテナム・ホットスパーらの名前が挙がっている。
リバプールにとって、移籍金なしで獲得できる経験豊富なミッドフィルダーは、適切な補強になる可能性は高い。プレミアリーグでの経験も多く、シーズン後半戦にブレントフォードで見せたパフォーマンスは完全復活を証明してみせた。
ゴール前を固めて守り続ける相手に対して、毎試合のスタメン出場はあらゆる面で難しいが、苦戦している試合に途中投入するプレーヤーとしては魅力的すぎる。トッテナムだけに、エバートンやマンチェスター勢ほどのライバル関係ではなく、獲得にも問題はなさそうだが、はたしてアンフィールドでプレーする元インテル・ミラノMFを見る日が来るのだろうか…?