2015年にリバプールの指揮官に就任したユルゲン・クロップ。サディオ・マネやモハメド・サラー、フィルジル・ファンダイク、アリソン・ベッカーらを次々に獲得する一方で、ロベルト・フィルミーノに新たな役割を与え、ジョーダン・ヘンダーソンを覚醒させ、世界でもトップランクのチームに育て上げた。
しかし、主力組が年齢を重ね、全盛期のパフォーマンスを披露できずにいる。負傷者の多さも相まって、今シーズン序盤戦はまさかの大苦戦。中でも、30代選手の多く、20代後半の選手たちの去就が不透明な中盤の再構築は喫緊の課題。
イングランド代表としてカタールW杯でも評価を高めたドルトムントMFジュード・ベリンガムをはじめ、アルゼンチン代表MFエンソ・フェルナンデスやエクアドル代表MFモイセス・カイセドらもターゲットに挙げられる中、イングランド代表MFが最優先であることは周知の事実。
現役時代にはリバプールやフラムで活躍し、引退後はテレビなどを中心に解説者やコメンテーターに転向した元イングランド代表MFダニー・マーフィーは、同国代表の後輩の能力を大絶賛した上で、古巣クラブに対して、ビッグクラブでい続けるために補強方針を変えるべきだと提言している。
「ジュード・ベリンガムは、驚くべき才能を持っていることは間違いないし、何よりもまずチームを良くしてくれるだろう。また、望ましくないスタートだからこそ、ファンや他の選手も含めて、みんなを勇気づけてくれると思う。」
「マンチェスター・シティと競争するのは、財政的な理由で難しい。しかしリバプールは、優れた人材採用、優れた戦術、そして優れた監督によって、長い間それを成し遂げてきた。競争を維持するためにも、最高の選手を買わなければならない時期はやってくるんだ。」
Lord Ping
これまでは原則的に、選手を売却して得た資金で選手を獲得してきたリバプール。鋭い目利きと巧みな交渉術で世界的なクラブに成り上がったわけだが、オイルマネーが猛威を振るうヨーロッパサッカーでは資金面で太刀打ちできない場面も散見される。
クロップ政権の第一次サイクルが終焉に近づいており、20代前半〜中盤の選手たちを中心としてチームに移行する真っ只中。中でも入れ替えが遅れているのがミッドフィルダー陣で、この冬と来年の夏を使って一気に変化を生みたいところ。
はたして、リバプールは “大本命” ジュード・ベリンガムに加えて、世界でも有数なミッドフィルダーを複数名獲得することはできるだろうか…?