昨夏に補強の分野において、リバプールを常勝軍団に作り替えたマイケル・エドワーズ前SDがクラブを退団。コロンビア代表FWルイス・ディアス獲得の頃から、半年間の引き継ぎ期間を経て、ジュリアン・ウォードが後任のスポーティング・ディレクターに就任した。
ところが、オーナー陣がクラブ売却の意思を表明し、体制が変わったことが影響し、ウォードSDは今シーズンをもって退任することが決定。クラブは慰留に努めたが本人の意思は固く、2023年6月まで契約を全うし、その後はサッカー界からは離れ、1年程度は休息に充てると見られている。
後任人事の話は出てこず、内部から昇格させるのか、外部から招集するのか、見通しは誰にもわからかったが、ここに来て後任候補の名前が浮上。
海外メディア『The Athletic』によれば、アイントラハト・フランクフルトでスポーツCEOとして、昨シーズンのヨーロッパリーグにも貢献したマルクス・クレシェ氏に関心を寄せているようだ。
日本代表MF鎌田大地や元日本代表MF長谷部誠も在籍するクラブで、日本人にも馴染みのあるクラブ。2021年から同ポジションを務めるクレシェ氏は、日本人選手の移籍にこそ絡んでいないが、いまやビッグクラブが狙うフランス代表FWランダル・コロ・ムアニやデンマーク代表FWイェスパー・リンドストロム獲得に携わった。
ドイツの地でさらに評価を高めている同氏は、2014年にSCパーダーボルン IIで監督に就くが、1年でチームを後にした。2015年からバイエル・レバークーゼンでアシスタント・コーチを務めたが、2017年には指導者の道を諦め、スカウティング部門にキャリア・チェンジ。
パーダーボルンで経験を積み、2019年からはRBライプツィヒのスポーティング・ディレクターに就任。ダニ・オルモやクリストファー・エンクンク、ヨシュコ・グヴァルディオルらを獲得する一方で、ティモ・ヴェルナーのチェルシー移籍も取りまとめ、大きな利益を生むことに成功している。
キャリアを通じて、若手の発掘に優れた印象。チェルシーやマンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッドらに比べると資金力で劣るリバプールだけに、才能ある若手の目利きや手堅い交渉力のあるディレクターは理想的。
RBライプツィヒの経験も役立つ可能性が高い。サディオ・マネやナビ・ケイタ、イブラヒマ・コナテ、南野拓実ら、リバプールにもプレースタイルの似ているレッドブル・グループに在籍経験のある選手たちを数多く獲得してきた実績があり、新たな採用基準をもたらせてくれるかもしれない。
あくまで噂であり、就任が決まるまではどうなるかわからない。とはいえ、シーズン終了まで残り少なくなっているだけに、近くリバプールから公式の発表があるのだろうか…?