RBザルツブルク時代には、日本代表FW南野拓実やノルウェー代表FWアーリング・ハーランドらとプレーしたドミニク・ソボスライ。若い頃から才能を認められ、RBライプツィヒにステップアップしても成長を止めず、ハンガリー代表のキャプテンまで登り詰めた。
この夏には、リバプール移籍を手に入れ、さらに大きな舞台にチャレンジしている。チェルシーとのプレミアリーグ開幕戦では押し込まれる展開ながらも、その能力を垣間見せ、第2節ボーンマス戦では攻守両面で躍動し、マン・オブ・ザ・マッチに選出された。
この試合で2点目となるペナルティーを獲得したハンガリー代表MFの本領が発揮されたのが、アレクシス・マック・アリスターが不可解なレッドカードで退場した後。遠藤航とともに、4-4-1の中盤を担うと、人数が少ない中でも巧みなテクニックとスプリントでボールを前に運びチャンスを作ると、守備面でも的確なポジショニングを披露してみせた。
本来は “8番” でより攻撃的な選手であり、得点やアシストに関与するのが好きなプレーヤーであることは誰もが知っている。ハンガリー代表チームのマルコ・ロッシ監督もその事実を認めつつ、過去にACミランなどで中盤の底で歴史に残るパフォーマンスを見せた元イタリア代表MFアンドレア・ピルロに似たものを感じると語った。
「彼がこのポジションでプレーすることをあまり好まないと言っていたのは知っているが、私は将来、彼が素晴らしい “6番” になれると本当に思っている。」
「例えるならば(アンドレア・)ピルロがそうだったように、彼はこのポジションに必要なスキルをすべて備えている。ピルロは過去15年間、このポジションで最高の選手だったと思うし、ドミニクもこのポジションでプレーするのに十分な技術を持っている。」
まだ22歳と若く、今後10年近くは前線で実力を発揮することになるはずだが、運動能力の低下に伴い、ポジションを落とす選手たちも多い。同選手の憧れ、スティーブン・ジェラードもキャリア終盤はアンカー・マンとしてプレーし、中盤の後ろからゲームを組み立てた。
ハンガリー代表が太鼓判を推すような “6番” でのプレーはしばらく見られそうにないが、時とタイミング次第では、中盤の底で無双するソボスライの姿が見られるかもしれない…