地元エジプトで実力を発揮した若かりし頃のモハメド・サラーは、2012年にスイスのバーゼルに加入。初めてのヨーロッパでも結果を残すと、2014年にはその才能を見出されて、プレミアリーグのチェルシーにステップアップを果たした。
しかし、イングランドでの初めてのチャレンジは失敗に終わった。わずか19試合で2ゴール3アシストとは今では考えられない数字しか残せず。たった1年後にはフィオレンティーナ、同年の夏にはASローマにレンタル移籍。その次のシーズンには完全移籍を果たし、イタリアの地でキャリアを取り戻した。
その後の活躍は誰にも明らか。リバプールではレジェンド級の活躍を見せており、プレミアリーグでも歴史に残る数字を記録。一方で、チェルシーでの日々を振り返った同選手は、元ブラジル代表DFダヴィド・ルイスがいつも気にかけてくれたと明かした。
「彼ら、特にダヴィドとはとても親しかったと思う。あの頃はまだ若くて、シャイだったんだ。」
「今はどうなったかわからないけど、あの頃の僕はシャイで、いつも一人だった。だからダヴィドは兄のような存在だった。彼は僕を気遣ってくれて、僕の話し相手になってくれたんだ。」
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ロンドンでこそ絶対的な存在になれなかったエジプト人ウィンガーは、初めてのイングランドサッカーを回顧。インテンシティの高さに驚いた過去を明かしつつも、イタリアのサッカーよりも好きだと告白した。
「タフで、とても激しくて、何にでも向かっていくんだ。」
「初めての試合はニューカッスル戦で、サイドライン際で 「ドーン」 とタックルされたのを覚えている。”どうやってここで生き残ればいいんだ?ジムに通わなきゃ!って思ったよ。」
「すごく激しいのはわかるけど、ある意味、スペースがあって、サッカーを楽しみながらプレーできるところが好きなんだ。他のリーグとは違う。イタリアのリーグはとてもコンパクト。でも、僕はスピードと激しさのある試合が大好きなんだ。」
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ロンドンでの悔しさをバネに、リバプールでは毎年のようにゴールを量産。近年の試合においては、ゴール前でのパスの精度が高まっており、数々のアシストも記録。今シーズンでは、得点とアシストの両方でトップに立っている。
コロナ期間のプレミアリーグ制覇以来のチャンピオンが近づいているリバプール。とはいえ、まだまだ先は長い。自身の活躍を続けるためにも、意識を変えたようで、いまは自分に合わせるのではなく、自らが合わせに行くスタイルになったそうだ。
「唯一言えるのは、自分のプレーだけでなく、他の選手のプレーも研究するようになったということ。彼らは僕に合わせる必要があるのではなく、僕が彼らに合わせる必要があるんだ。彼らはまだ若いし、そういう経験もないからね。」
「将来、彼らが僕と同じ年齢になれば、同じことをするだろう。でも、今はそれぞれの試合がどう動くか、相手がどうプレーするか、相手が何を望んでいるかがわかっているし、それを自分の強みにし、自分のプレーを向上させるために常に努力している。」
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