レアル・ベティスやウェストハム・ユナイテッドを経て、2019年にフリートランスファーでリバプールに加入したスペイン人GKアドリアン。当初はアリソン・ベッカーに次ぐ2番手GKとして起用されたが、クィービーン・ケレハーの台頭で3番手に序列は下がった。
それでも、ゴールキーパー陣を鼓舞するベテランGKとして裏からチームを支えた。2024年まで5年間、アンフィールドで精神的な部分で支柱となっていた同選手だが、移籍金なしで母国のレアル・ベティスに復帰した。
リバプールを離れることになった昨年夏の出来事を振り返った38歳のゴールキーパーは、泣き崩れたことを明かしつつも、自分自身や家族のためにもスペインに戻ることを優先したと語った。
「リバプールを去るときは泣いたよ。ファンにちゃんとお別れを言う機会がなかったから、SNSに動画をアップしたんだ。家で家族と一緒にいたんだけど、泣き崩れちゃったよ。」
「子供たちはずっとイギリスで過ごしていたから、気の毒に思った。僕はそこで5シーズン、チャンピオンズリーグを除くすべてのトロフィーを獲得した。」
「心の片隅では、 “リバプールが好きだ。スカウサーが好きだ” と言っていた。リバプールにノーと言うのは難しかった。みんなに愛されていると感じる場所を離れるのは辛いけど、この決断は僕と家族のためだったんだ。」
「リチャード・ヒューズと話をして、(1年延長を提示して)残るように説得してくれたけど、やっぱりこれが僕にとって正しい移籍だったんだ。」
The Athletic
ユルゲン・クロップ政権におけるGK陣を支え続けたベテランGKだが、ピッチ上では慌ててしまう場面も多く、リバプールのゴールキーパーに求められる足元の技術や展開力、最終ラインからのパス回しなど劣る部分も見受けられた。
それでも、チームメイトを鼓舞し続け、ベンチや時にはベンチ外からでも大声でサポートし続けた。その姿勢はファンの目にも明らかで、世界でもトップクラスの安定感を持つリバプールのGK陣が実力を発揮するために必要不可欠な存在となった。
すでに38歳とキャリアは最終盤に差し掛かっているが、今シーズンは後半戦でレギュラーの座を射止めた。まだまだ健在のベテランGKは、今後もリバプールへの愛を胸に、ラ・リーガでプレーする。
