移籍市場が開く前、アレクサンデル・イサクがニューカッスル・ユナイテッドを退団することなどないと思っていた。契約年数も3年残っており、まして莫大な移籍金を要することから、リバプール移籍は夢物語にも思われた。
しかし、時が進むにつれ、リバプール移籍の現実味が増した。アジアツアーに帯同しなかったことが前兆として、その後はトップチームに合流せず、スペインで自主トレを行った。チームが戻ってきてもトップチームでのプレーを拒否し、エディ・ハウ監督もチーム練習に加わることを避けた。
ひとりでのトレーニングが続く中、スウェーデン代表の点取り屋は声明文を投稿。ニューカッスルに新契約に関する約束を破られたと主張する一方で、クラブ側は約束の存在を否定し、両者の溝は深まるばかりだった。
それでも、ニューカッスルは後継者探しを本格化。ドイツ代表FWニック・ウォルトメイドを獲得し、ブレントフォードFWヨアネ・ウィサ確保も迫ったことで、ニューカッスルからすれば不満分子であったイサクをリバプールに売却した格好だ。
レッズにとっては待望の夢のターゲット獲得となった。ウーゴ・エキティケを迎えつつも、プレミアリーグでも数々のゴールを奪ってきたイサクの加入は大幅な戦力アップとなり、前線にいろんな可能性をもたらした。
モハメド・サラー時代の終わりが近づきつつあるだけに、次世代のエースとして期待される25歳のストライカーは、リバプール公式との初めてのインタビューに応じ、移籍や過去の対戦、目標、チームメイトなど様々な質問に答えた。
Q. アレックス、正式にリバプールの一員となりました。今の気持ちは?
「最高の気分だよ。ここまで来るのに長い道のりだったけど、このチーム、このクラブ、そしてクラブが象徴するすべての一員になれて本当に嬉しい。誇りに思うし、これからが楽しみだよ。」
Q. 契約が完了し、リバプールの選手になった今、ユニフォームのエンブレムを見てどう感じますか?
「安堵と誇り、喜びが混ざった複雑な気持ちだ。とにかく、すべてが終わって、またサッカーに戻れることが嬉しい。チームメイトやファンに会うのが待ちきれないし、再びピッチに出るのが楽しみだ。」
Q. なぜリバプールだったのですか?なぜ加入したかったクラブだったのですか?
「クラブが築き上げているものと、すでに確立されているクラブの歴史、その両方が決め手だ。ここに来て、僕も歴史の一部になりたいし、歴史を築きたい。タイトルを獲得したい。それが僕にとって最大のモチベーションだし、ここでならさらに成長し、次のレベルに進める最高の場所だと感じた。チームにも貢献したい。」
Q. リバプールに来ることで、選手として成長できると感じたことも動機の一つでしたか?
「もちろんだ。ここが僕のキャリアの次のステップだと感じている。このチャンスを得られて本当に嬉しいし、この機会を活かすためにやる気に満ちているよ。」
Q. これからは、過去を振り返らず、サッカーに集中するだけですか?
「そうだね。長い夏だったけど、過去は振り返らない。もう終わったことだから、一番好きなこと、サッカーに戻れる。本当に楽しみだよ。」
Q. アンフィールドで2度プレーし、2度ともゴールを決めました。対戦相手として、あのスタジアムでのプレーはどうでしたか?
「非常に難しかった。個人的には少し成功を収めたけど、チームとしては両方負けたと思う。アンフィールドはアウェイチームにとって、来て勝つのがとても難しい場所だ。その雰囲気は格別だね。その一員になれることに興奮しているよ。」
Q. リバプールと対戦したとき、フィルジル・ファンダイクやイブラヒマ・コナテといった選手たちと対峙するのはどんな挑戦でしたか?
「もちろん、ものすごく大変だ。世界最高のディフェンダーたちと対戦するわけだからね。大きな挑戦だった。でも、僕はそういう挑戦が好きなんだ。最高の相手と戦って、自分を試すのが好きだよ。リバプールと対戦するのはいつも楽しかったし、これからはリバプールでプレーする方がもっと良いことを願っている。」
Q. 赤いユニフォームを着て、アンフィールドでプレーするというのは、どれほど楽しみですか?
「すごくワクワクしている。言葉にするのは難しいけど、経験してみて初めて説明できることだと思う。リバプールというクラブ、そしてファンがどういうものか、みんな知っているはずだ。それを経験するのが待ちきれない。」
Q. 選手として成長できると話していましたが、このチームにどんなクオリティを加えたいですか?
「すべてだね。僕には提供できるものがたくさんあると思うし、改善できる点もたくさんある。僕はストライカーだけど、常にチームに最大限の貢献をしたい。主にゴールだけど、それ以外にもね。すべてだよ。」
Q. モハメド・サラー、コーディ・ガクポ、ウーゴ・エキティケ、フロリアン・ヴィルツといった攻撃陣に加わることは、どれほど楽しみですか?
「とても楽しみにしている。世界トップクラスの選手ばかりだ。相手としてプレーしていたときは厄介だったけど、これからは同じチームにいられるのが嬉しい。自分のクオリティをチームに加えて、素晴らしいシーズンにしたい。」
Q. インターナショナルブレイクでスウェーデン代表に合流し、試合に出る機会を得るかもしれません。リバプールの次の試合、バーンリー戦での出場は叶いそうですか?
「もちろんだ。それが僕の目標だよ。ただ、この夏はトレーニングも制限されていて、試合に出ていないから、まずは自分の状態を分析して、どれだけやれるかを判断する必要がある。でも、できるだけ早くプレーしたいと思っている。」
Q. 契約にサインし、正式にリバプールの選手となりました。この契約期間で何を成し遂げたいですか?
「すべてを勝ち取りたい。」
Q. それほどシンプルに?それが野心ですか?
「そうだね。」
Q. リバプールでは背番号9を選びました。この番号はあなたにとってどんな意味を持ちますか?
「大きな意味を持つ。象徴的な番号だ。もちろん責任も伴うけど、このチャンスをもらい、この番号を与えられたことをとても嬉しく思う。これから働くのが楽しみだし、良い結果を出して恩返ししたい。」
Q. ユニフォームの背中に初めて自分の名前と番号を見たときはどうでしたか?
「美しかった、本当に美しい。家族もみんな美しいと言ってくれた。だから僕たちは嬉しいよ。」
Q. 最後に、この瞬間を待っていたリバプールファンに一言お願いします。
「ついにここに来られて本当に嬉しいということ。ピッチに戻って、みんなと素晴らしい瞬間を分かち合えることを待ち望んでいるよ。」
