イングランドの冬が本格的な厳しさを増し、プレミアリーグの過密日程が選手たちの肉体を削る大晦日。リバプールのファンが首位争いの行方に一喜一憂する傍らで、ひとりの将来有望な若武者がキャリア最大の壁に突き当たっている。
今シーズン、アヤックスにローン移籍している21歳MFジェームズ・マコーネルの姿はピッチの上にはない。2025年の夏、さらなる飛躍を求めて海を渡ったオランダの名門アヤックスでの挑戦は、現時点で失敗という烙印を押さざるを得ない段階に達している。
獲得を希望したヨン・ハイティンハ監督はすでにチームにおらず、今季は7試合に出場し、プレー時間はたったの219分間。クラブにとって重要な存在になり得ておらず、リバプールにとっては一旦復帰させ、別のクラブにふたたびレンタルするのが当然の選択となる。
英『Daily Mail』のルイス・スティール記者が報じた内容によれば、リバプールのスカウティング部門は即座にローン契約の中止とリコールの準備を進めてきたようだ。マコーネルはリバプールのアカデミーで育ち、中盤の底から正確な長短のパスを繰り出す能力に長けている。
しかし、最後に90分間フルでプレーしたのは2025年4月のU-21チームの試合まで遡らなければならない。試合勘を完全に失った若きタレントを放置することは、クラブの資産価値を毀損させるだけでなく、選手本人の精神的な成長をも阻害する。リバプールは今冬、一度マージーサイドへ戻し、改めて国内での再修行を命じる方針を固めた。
アヤックスでの冷遇は、新指揮官との戦術的なミスマッチによる部分が大きい。新指揮官は中盤に強靭なフィジカルと守備の強度を求める傾向にあり、マコーネルの持ち味である冷静なゲームメイクや空間を把握する能力は軽視された格好。
しかし、この挫折は彼にとって必要な栄養素にもなり得る。名門アヤックスでさえ、時に若手の育成を放棄するほど勝利に固執するというプロの厳しさを、彼は身をもって知ったはず。マコーネルの能力を把握し、重用する監督のもとであれば輝けるだろう。
同記者によれば、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンやダービー・カウンティ、オックスフォード・ユナイテッド、そしてスウォンジーの4クラブが獲得に名乗りを上げているという。中でも注目を集めるのが、かつてリバプールでコーチを務め、ユルゲン・クロップの右腕として若手育成の要であったヴィトール・マトスが指揮を執るスウォンジー。
2025年11月に監督に就任したばかりだが、リバプール時代の教え子であるマコーネルのポテンシャルを誰よりも理解している。現在チャンピオンシップ下位に低迷しているものの、マトス監督が就任してからの7試合で3勝を挙げるなど、確実にチーム再建の道筋を立てている。
スウォンジーの伝統的なポゼッションスタイルに、マコーネルの展開力はうまく当てはまる。リバプール側としても、かつての同僚であるマトスに預けることには大きなメリットを感じているはずだ。選手の性格や技術的な特徴を把握している指揮官の下であれば、マコーネルも過度なプレッシャーを感じることなく、スムーズにチームに溶け込めるだろう。
一方で、ダービー以外の候補クラブがいずれも降格圏に近い位置にいるという事実は、慎重な検討を要する。残留争いの渦中では、若手選手にじっくりと時間をかけて適応させる余裕はない。一瞬のミスが降格に直結する過酷な環境で、実戦から遠ざかっていたマコーネルが本来のパフォーマンスを発揮できるかどうかは未知数。
将来を嘱望されながらも、来年9月には22歳を迎える守備的ミッドフィルダーは、オランダから舞い戻り、イングランドでキャリアを再興することになるのだろうか…?
