マージーサイドの空気に、ひとつの時代の終わりを告げる予兆が漂い始めている。かつてアンフィールドを疾走し、その左足で数多の歓喜を演出してきた31歳DFアンディ・ロバートソンが、今まさにキャリアの岐路に立たされている。
スコットランド代表のサイドバックが歩んできた道は、リバプールの近代史における黄金時代そのものだった。ハル・シティから引き抜いた時には無名選手のひとりだったが、ユルゲン・クロップ政権で一気に世界的な左サイドバックに成長した。
しかし、30歳を超えてこれまでのようなアップダウンは難しくなり、毎週2試合をこなすとパフォーマンスが低下。今シーズンからはハンガリー代表DFミロシュ・ケルケズがレギュラーを任されているが、ロバートソンも大事な場面では投入され、仕事人の役割をこなしているが、契約満了は迫っている。
海外メディア『CaughtOffside』が報じた最新の情報によれば、リバプールは今夏、アンディ・ロバートソンの放出に向けた準備を進めているようだ。2026年6月に契約満了を迎える同選手に対し、クラブ側は現時点で契約延長のオファーを提示する動きを見せておらず、今シーズン終了後の別れが濃厚だ。
一時は今冬の移籍市場でのトッテナム移籍も取り沙汰され、500万ポンドという具体的な数字とともに合意間近とまで目されていたが、代役確保の難航により最終的にはクラブが残留を選択。だが、それはあくまで短期的な解決に過ぎず、今夏の退団という大きな流れを変えるには至っていない。
激しいプレッシングと上下動を繰り返す従来のスタイルから、より静的なポゼッションとビルドアップの質が求められる現代的な要求に対し、若きケルケズが適応を見せる一方で、ベテランの域に達したロバートソンは、自身のプレースタイルとチームの進化との間で葛藤を抱えているようにも映る。
リバプールの補強部門を司るリチャード・ヒューズは、すでにロバートソンの後継者リストを作成している。アイントラハト・フランクフルトで飛躍を遂げる22歳DFナサニエル・ブラウンの名前が浮上しており、ASローマにレンタル移籍中のコスタス・ツィミカスを控えに据えるプランもある。
新たな選手を確保するよりも、ギリシャ代表DFを最低でも1シーズン残すのが現実的な路線と言える。その背景には、エジプト代表FWモハメド・サラーの後継者確保が避けられず、センターバックや右サイドバックなど様々なポジションでの補強が叫ばれているからだ。
スコットランド代表でキャプテンマークを巻くディフェンダーの存在は、チーム内においても貴重な選手だが、プロサッカー選手である以上は出場機会を求めるのは当たり前で、長年の功労者であるロバートソンが退団するとなっても、アンフィールドからは惜しみない声援が送られるはずだ。
いずれにしても、ロバートソンがどのような道を歩むにしても、アンフィールドに残るにしても感謝の言葉が送られるべきだ…
