遡ること、2011年にリバプールは200万ポンドを支払い、ミルトン・キーンズ・ドンズに所属していた当時14歳FWシェイ・オジョをアカデミーに加えた。チェルシーやマンチェスター・ユナイテッドら強豪クラブとの争奪戦を制し獲得した若き逸材は、アンフィールドで輝く見込みだった。
2015年10月に就任したユルゲン・クロップ監督のもとでもプレーしたが、トップチームでは通算13試合の出場に留まった。ひとつの要因になったのは、これからという2016/17に向けたプレシーズンで負った背中の怪我。その後、翌シーズンにはレンタル先のフラムにおいて、負傷で約80日間を離脱することに。
トップチームに本格的に爪痕を残すべく臨んだシーズンに、怪我で監督やコーチ陣にアピールをするキッカケを失ったヘメル・ヘムステッド出身ウィンガーは、胸が張り裂けそうな気持ちになったことを吐露した。
「正直なところ、本当に動揺していた。」
「まだチームにいるから、心が折れるようなことはなかったけど、あのときこそ、ちゃんとプレーできるチャンスだと思ったから、胸が張り裂けそうになったのを覚えている。」
「背中を痛めて、4カ月ほどプレーできなかった。今でも、その時の気持ちを鮮明に覚えている。本当に辛かったよ。」
The Athletic
アンフィールドにおけるトップチームでのポジションを確保できなかった同選手は、レンタル生活に突入する。フラムを皮切りに、ランスやレンジャーズ、カーディフ、ミルウォールを渡り歩き、2022年7月にリバプールと契約満了を迎えた。
現在27歳になったアタッカーは、スロベニアのNKマリボルに在籍。カーディフやレンジャーズでは一定の結果を出したようにも思えるが、リバプールが求めるレベルには達することはなかったが、選手側も本領を発揮できなかったと認め、トップチームでの練習でレベルの高さを痛感したと語った。
「まだ、自分の本当の実力を十分に発揮できているとは思っていない。」
「(リバプールで)トップチームとの最初のトレーニングセッションを思い出す。僕は15歳だった。パスの激しさ、攻撃的な選手としての背後への動きなど、いろいろなことを覚えている。」
「大したことではないと思っているような小さなことでも、あのレベルでは細かいことが重要なんだ。」
「それがビッグクラブのレベルで、毎日が試合のようなものなんだ。」
「クロップの下でプレーしたのは本当にいい思い出だ。最高の選手たちとプレーしているときは、すべてが簡単に感じられるし、サッカーを楽しんでいたよ。」
The Athletic