2013年の冬まで遡り、インテル・ミラノからリバプールに加入した元ブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョ。小柄な身体にも関わらず、相手をうまくいなすドリブルや卓越したパス能力で、主に左サイドからチームの攻撃を牽引。
フリーキックなどでも実力の高さを見せ付け、通算で201試合54ゴール44アシストを記録。ユルゲン・クロップ監督のもとでもプレーしたブラジル人ミッドフィルダーだが、2018年の冬にはしばらく希望を出していた通り、バルセロナ移籍を果たした。
ドイツ人指揮官は残留に向けて説得を行っていたとも言われるが、元ブラジル代表MFの意思は硬く、リバプールは1億ユーロをゆうに超える移籍金を引き換えに、シーズン途中での売却を決断した。
32歳になった同選手は現在母国に戻り、ヴァスコ・ダ・ガマでプレーしているが、バルセロナ移籍を回顧すると、抱いていた夢を捨て去ることはできなかったと明かした。また、スペインではうまく行かなかったが、家族や宗教のおかけで乗り越えることができたとも語った。
「あそこに行くのは素晴らしいことだったけど、期待通りにはいかなかった。バルセロナでプレーするという夢があったんだ。そしてチャンスが巡ってきて、夢にノーとは言えなかった。何度も話し合ったよ。」
「当時、僕はバルセロナに移籍したかった。残留、退団について何度も話し合った。でも結局、クラブが僕を放出することに同意してくれて、バルセロナに移籍したんだ。」
「最初の頃は本当に良かった。バルセロナでの最初の半年は最高だった。タイトルを獲ったし、本当に調子よくプレーしていた。でも、ワールドカップ後の翌シーズンは、調子が上がらなかった。」
「パフォーマンスが落ちて、それは僕にとってタフなことだった。期待に応えたかったし、自分自身の期待にも応えたかったけど、それができなかった。」
「あの時期は本当に大変だったけど、家族や信仰に頼った。そのおかげで強くいられたんだ。」
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バルセロナでは描いていたようなキャリアを歩むことができなかった32歳のミッドフィルダーは、レンタル移籍で過ごしたバイエルン・ミュンヘンでチャンピオンズリーグを制覇するなど、稀有なキャリアを歩むと、2022年7月にはふたたびプレミアリーグに舞い戻る。
当時スティーブン・ジェラード監督が率いていたアストン・ビラに加わるものの、リバプール時代の活躍には遠く及ばず、目立ったパフォーマンスを見せるには至らなかった。
その後はジェラード監督の解任もあって、同チームでは戦力外となり、アル・ドゥハイルでの1年間のローン生活を経て、今もレンタル契約でブラジルでプレーしている。
バルセロナ移籍以降、見事なキャリアの下降線を描いている元ブラジル代表MFだが、アストン・ビラ加入の判断には後悔していないと吐露した。
「後悔はしていない。チームを変える必要があったんだ。バルセロナの構想にはもう入っていなかった。プレーする必要があった。僕を必要としてくれるクラブに行く必要があったんだよ。」
「(アストン・ビラに移籍したのは)主に(スティーブン・)ジェラードのおかげだよ。彼は監督だった。彼が僕に電話をかけてきて、話をして、そこにレンタル移籍する可能性があることを知った。」
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