静かな昨夏の移籍市場を送ったリバプール。レアル・ソシエダからスペイン代表MFマルティン・スビメンディの引き抜きに迫ったものの、選手の判断でスペイン残留。結果的に、チームに加わったのは、ユベントスで構想外になったイタリア代表FWフェデリコ・キエーザと、バレンシアにレンタルバックとなったジョージア代表GKギオルギ・ママルダシュヴィリのみだった。
ジョージアの守護神は、ラ・リーガや国際舞台で圧倒的なセービング技術を披露し、ゴールキーパー
として評価は鰻登り。今シーズンも負傷で4試合をベンチ外で過ごしたが、他の試合はすべて先発出場しており、バレンシアを最後尾から支え続けている。
来シーズンはアンフィールドで初めてのプレーに挑む24歳GKだが、ブラジル代表GKアリソン・ベッカーの高いハードルが立ち塞がっている。イングランドのサッカーにも慣れなければならず、最低でも1シーズンは控えGKとして立ち位置に収まるだろう。
昨シーズンまでリバプールで3番手GKとしてGK陣を支え、契約満了とともにレアル・ベティスに復帰した38歳GKアドリアンは、アンフィールドで本格的なレギュラー争いに巻き込まれるジョージア代表GKにアドバイスを送った。
「選手として、サッカークラブでの役割は変わり、適応することを学ばなければならない。しかし、私はいつだって監督が私を必要とするならば、準備ができていることを心がけていた。ギオルギ・ママルダシュヴィリにも同じアドバイスを送りたい。」
「リバプールにはブラジルとアイルランド共和国のNo.1GKがいる。彼にとってNo.1としてプレーするのはかなり難しいだろうが、彼はまだ若いし、学ぶべきことがたくさんある。」
「来シーズン、彼がリバプールの一員になるか、バレンシアや他のクラブにレンタルで戻るかはわからないが、アリソンが目の前にいることは、学び続ける良いチャンスだ。」
「サッカー選手はわがままなもので、常にプレーしていたいものだが、いつもそうできるわけではない。ママルダシュヴィリはただ忍耐強く、準備をしていればいい。いつかは彼の時が来るのだから。」
The Athletic
ラ・リーガでは下位に沈むバレンシアだけに、リバプールのようにポゼッションの高いサッカーを経験したことがなく、ジョージア代表も同様のことが言える。最終ラインからの組み立てやパス回し、ペナルティエリアを飛び出したセービングなど、モダンなGKに求められる能力はまだ未知数。
まして、世界でもトップクラスのフォワード陣が揃うプレミアリーグにおいて、レベルの高いプレッシングを掻い潜るテクニックを身につかねばならず、リバプールで守護神の座を射止めるのは少し先の話になりそうだ。
耐えの時間が続く可能性もあるが、ジョージアの次世代を担うGKは、アンフィールドの歴史に名を刻めるのだろうか…?
