子供の頃からリバプールのアカデミーに所属し、トップチームまで昇格した22歳DFジャレル・クアンサー。ユルゲン・クロップ監督の最後のシーズンに彗星の如く現れ、プレミアリーグやヨーロッパリーグなどを通じて、33試合に出場を果たした。
しかし、アルネ・スロット体制では苦悩が続く。リーグ戦の開幕でスタメン出場するも、ハーフタイムで交代させられると、その後はレギュラーに値するほどのパフォーマンスを見せるに至っていない。
ニューカッスル・ユナイテッド移籍も取り沙汰されている若きセンターバックだが、秘めるポテンシャルはワールドクラス。現代的なディフェンダーに必要な要素を持ち合わせるだけに、来シーズンもアンフィールドでのレギュラー争いに励むことが濃厚。
就任初年度でプレミアリーグ制覇を成し遂げたオランダ人指揮官は、イングランド代表に招集経験もあるセンターバックに対し、次のレベルに上がるためには一貫性を保つ必要があると発言するも、若い選手にとっては難しい課題になるだろうとも口にした。
「彼がチェルシーで良いプレーをしたと言っているのは好感が持てるが、おそらく彼が成し遂げなくてはならない最後の一歩は、一貫性の維持であり、土壇場で起きたような瞬間(PK献上)に巻き込まれないことだろう。」
「リーグ制覇の最大のポイントは一貫性であり、それは若い選手にとって最も難しいことだ。ラミン・ヤマルのように、それほど難しくない選手もいる。」
「ジャレルはシーズンを通して成長してきたし、次のステップは、彼が土壇場のようなことに巻き込まれないようにすることだ。ジャレルは速く、強く、ボールを持っても落ち着きがあり、このクラブに必要な要素をすべて備えている。」
「アカデミーの選手だけでなく、すべての人にとって、リバプールでプレーするのはとても難しい。このチームでプレーするには、本当に優れた選手でなければならない。彼は競争力があるが、他の選手がフィットしたままで、レベルの一貫性を保っていたのは少し不運だった。」
「ひとつの瞬間が認識を変えることもあるが、試合の勝敗につながることもある。だから、このような些細なことがシーズンを大きく左右することもあるし、リバプールやアーセナル、PSGでプレーするためには、高いレベルで多くのことをこなす必要があるんだ。」
同じくセンターバックで、負傷に悩まされている27歳DFジョー・ゴメスにも退団の噂が飛び交っている。年齢的にも、計算できる戦力としてはクアンサーを成長させるほうがクラブにとっては最適解で、一気に2人のセンターバックを放出するのは現実的ではない。
右サイドバックとしても起用された今シーズン。右サイドでは目立ったパフォーマンスを披露できなかったが、落ち着いたプレースタイルは目を見張る。ただし、ミスで気が動転するシーンも見られ、危なっかしい守備対応も改善しなければならない。
来シーズンの去就には注目が集まるが、クアンサーは大きな成長を手にし、アンフィールドの歴史に名を刻むディフェンダーになれるだろうか…?
