プレミアリーグの強豪リバプールが、今夏の移籍市場でスウェーデン代表FWアレクサンデル・イサクに熱視線を送っている。ニューカッスル・ユナイテッドのエースとして君臨する25歳の点取り屋は、移籍市場における話題の人物となっており、レッズをはじめとする複数のビッグクラブがその動向を注視している。
BBCスポーツのQ&A企画に登場したジャーナリスト、サミ・モクベル氏は、リバプールとアーセナルからの関心が報じられる中で、イサク本人の現状について言及。曰く、イサクはビッグクラブへの移籍に興味を抱いている可能性はあるものの、自ら移籍を志願するような姿勢は見られないとのことだ。
リバプール行きに対しては前向きだが、積極的ではないというのが実情だという。それでもモクベル氏は、イサクがリバプールにとって夢のターゲットであると強調。だが、その夢を実現するためには、約1億2000万ポンドという巨額の移籍金が必要になると報じられており、実現には大きな壁が立ちはだかっている。
一見すると巨額な移籍金に躊躇するように思えるかもしれないが、リバプールはチームの核になれる選手であれば出費を惜しまないクラブであることは過去が物語っている。
2018年1月には、センターバックの補強としてフィルジル・ファンダイクを7500万ポンドで獲得。続く夏には、アリソン・ベッカーに約6700万ポンドを支払い、守備の柱を一気に補強した。両選手のい加入で守備が安定すると、チャンピオンズリーグやプレミアリーグ制覇を成し遂げる原動力となった。
さらに2023年の夏、当時ブライトンに所属していたモイセス・カイセドに対して1億1500万ポンドというクラブ史上最高額でオファー。最終的に本人が移籍を拒否し破談となったが、クラブとしては巨額を支払う意思があったことを世界に示した。
金額面だけではない問題もある。ニューカッスルはプレミアリーグのライバルに主力を放出する意思がなく、代替ストライカーの目途も立っていない。その結果、たとえ1億2000万ポンドを積まれたとしても、売らないという選択肢を選ぶ可能性は十分にある。
アレクサンデル・イサクは、プレミアリーグ屈指のストライカーへと成長を遂げ、リバプールにとってまさに夢のターゲットであることを疑うものはいない。その実力は折り紙付きであり、チームの未来を担う存在として申し分ない。
だが、ニューカッスルが設定する天文学的条件と、契約に裏付けられた頑なな姿勢は、現実的なハードルとなっている。今夏で移籍が実現するストーリーは描きにくいが、スカンジナビアの点取り屋がレッズの赤いシャツをまとって躍動する未来を、夢見ずにはいられない。
