アルネ・スロット体制への本格的な移行を控え、今夏の移籍市場で守備陣の再構築を進めるリバプール。新たな補強候補として浮上したのが、ポルトガルの名門ベンフィカに所属する22歳のディフェンダー、トマス・アラウージョだ。
リバプール専門メディア『Anfield Watch』によれば、クラブはアラウージョの獲得を真剣に検討しており、”リバプールにとって完璧な補強” との高い評価している。
リバプールがセンターバックの補強を迫られる背景には、フランス代表DFイブラヒマ・コナテの契約問題がある。現在の契約は2026年6月まで残されているものの、契約延長交渉は思うように進んでおらず、今夏中の売却の可能性も浮上している。
マージーサイドのクラブはボーンマスの若手DFディーン・ハイセンを最有力候補としてリストアップ。獲得に向けて好位置を占めていたが、ここにきてレアル・マドリードが争奪戦に参戦。同選手がマドリード行きを優先しており、余談を許さない展開になりつつある。
こうした状況の中、新たな代替候補として浮上したのがアラウージョ。彼は第一希望ではなかったかもしれないが、それでも堅実で理にかなった選択肢として評価されており、リバプールの補強戦略において重要な存在となりそうだ。
今シーズン急成長を遂げた注目の若手DF。本職はセンターバックだが、今季は右サイドバックとしても約20試合に出場し、右ウイングバックとしてもプレー経験がある。攻守両面において高い適応力を示しており、1得点を記録するなど攻撃面でも存在感を見せた。
特筆すべきは、そのポジショニングセンスと戦術理解力。22歳という若さながら、状況に応じて役割を変えながらも安定したパフォーマンスを発揮している点は、他の同年代の選手には見られない大きな強みと言えるだろう。
また、ポルトガル国内リーグではリカバリー数やタックル数も上位に位置しており、守備者としての基本性能も非常に優秀。センターバックと右サイドバックという異なるポジションでの出場が多いため、単純なデータ比較は難しいが、彼の守備能力が確かであることは間違いない。
アラウージョの契約には6700万ポンドのリリース条項が設定されており、簡単に手が出る金額ではない。しかし、彼の年齢、多才性、そして将来的な成長性を考えれば、決して高すぎる額ではないとの見方もある。リバプールも未来への先行投資として検討する価値は十分にありそうだ。
ただし、コナテの直接的なオプションというよりは、ジョー・ゴメスやジャレル・クアンサーのようなバックアップメンバーに収まりそう。ハイセンと並び立つほどのポテンシャルを感じにくく、絶対的な選手以外に6700万ポンドもの大金を投じる未来は想像しにくい。
リバプールが22歳のポルトガル人DF獲得に本腰を入れるとは思えないが、予想に反して、アンフィールドの地で新たなキャリアを歩むことになるのか…？