ブライトン&ホーヴ・アルビオンで通算112試合で20ゴール9アシストを挙げ、プレミアリーグでも屈指のミッドフィルダーに成長したアレクシス・マック・アリスター。2022年にはワールドカップを制覇したアルゼンチン代表でも活躍しており、これまで38試合で4ゴールを決めてきた。
そんなマック・アリスターに転機が訪れる。プレミアリーグと代表での活躍もあり、イングランドの強豪クラブが熱視線を送る中、リバプール移籍を決断した。その背景にはユルゲン・クロップ監督との秘密の会話があったことを吐露し、父親とも同じ才能を見出していたことを明かした。
「その後(ワールドカップ制覇後)の僕の人生が、まさかこんなにも変わるとは想像もしていなかった。」
「あのシーズンの終わりに、ユルゲン・クロップ監督が僕に会いに来てくれたんだ。まるでジェームズ・ボンドの任務みたいだったね。彼は僕に会うためだけにわざわざ飛行機で来てくれて、ブライトンまでの道のりの途中で秘密裏に落ち合ったんだ。正直、そこまでしてくれるなんて驚きだった。僕はワールドカップを制覇していたけど、決してスター選手ではなかったからね。」
「一緒にコーヒーを飲みながら、彼は僕に “ぜひリバプールに来てほしい” と熱心に語ってくれた。彼が言うには、僕のプレースタイルはボルシア・ドルトムント時代に世界最高峰のボックス・トゥ・ボックス型MFに育てたギュンドアンに少し似ている、ということだった。面白いことに、子供の頃、スタンドにいた父はいつも僕に向かって叫んでいたんだ… “もっとボックスに入れ!” ってね。」
「クロップ監督と話したその瞬間から、僕はリバプールに行く運命なのだと確信した。彼の言葉そのものというより、彼の人柄から伝わってくるものが大きかった。最高の会話だったし、それが僕と彼の素晴らしい関係の始まりだった。」
「でも、何事も時間がかかるものだ。ミッドフィールダーの顔ぶれをほぼ一新したばかりだった。すべてを勝ち取った伝説的なグループから、僕、ドム、ライアン、遠藤が加わったことで、自分たちのスタイルでプレーするのに少し時間がかかった。」
「前のMF陣はまさに “ヘヴィメタル” だったからね。僕たちは少し違うタイプの選手たちだった。もう少し直接的ではない、ボールを回してプレーするのが好きなんだ。でも、モウやルチョ、コディーのような選手が前線にいると、彼らは “今すぐボールをよこせ!” とばかりに要求してくる。そのギャップを埋めるのに少し時間がかかったんだ。」
The Players Tribune
リバプールでは初年度からレギュラーとして活躍。賢くも、南米の選手らしい身体を張ったプレーも披露し、クロップ政権の中盤に欠かせない選手になった。アルネ・スロット監督に代わっても重要さは変わらず、昨季も49試合で7ゴール6アシストを挙げた。
今シーズンはプレミアリーグ連覇を狙うリバプールにおいて、アルゼンチン代表ミッドフィルダーに期待される役割は大きい。はたして、26歳MFは今季どのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか…?
