ユルゲン・クロップ監督が率いていたリバプールにおいて、しばらくの間、獲得の噂が挙がっていたのは当時ボルシア・ドルトムントで活躍していたイングランド代表MFジュード・ベリンガム。ブンデスリーガで圧倒的な存在感を見せつけていた同選手には、メガクラブがこぞって関心を示していた。
アンフィールドのクラブはすでに世界的なミッドフィルダーとして名を馳せていたベリンガムを母国に復帰させるために動いていた。同国代表で仲の良いトレント・アレクサンダー=アーノルドらの存在がメリットになるかと思われたが、22歳MFはレアル・マドリードを選択した。
2023年夏の加入以来、マドリードの中盤に君臨するイングランド代表MFは、カルロ・アンチェロッティ監督のもとで高い得点力も披露し、新生スター軍団のひとりとして多くの勝利に貢献。シャビ・アロンソ監督に代わった今シーズンも主軸を任されている。
とはいえ、シャビ・アロンソ監督が解任され、元リバプールDFアルバロ・アルベロアが新監督として就任。トップチームでの経験値が少なく、わがままな選手たちを束ねられるか、もしくは短命に終わるのか不安定なまま。
かつての銀河系軍団と同じように、スター選手を揃えすぎた弊害が生じ始めているレアル・マドリードから、リバプールが1億8000万ユーロもの大金を投じて、元ドルトムントMFを一度もプレーしたことのないプレミアリーグに連れてこようとしていると、スペイン紙『Fichajes』が報じた。
リバプールの中盤にはドミニク・ソボスライやアレクシス・マック・アリスターといったワールドクラスが存在するが、ベリンガムは異なる次元に住んでいる。ピッチのあらゆるエリアに顔を出し、ボールを奪い、運び、そしてゴールを陥れる。
クラブレジェンドのスティーブン・ジェラードのように、攻守両面で高い能力を発揮できるミッドフィルダーは稀有な存在で、もしも手に入るのであれば、どのクラブにとっても補強したいプレーヤーである。
戦術的な視点でも、ベリンガムの獲得は理にかなう。彼は現代サッカーが求める万能性の極致。低い位置でのビルドアップから、ファイナルサードでの崩し、さらにはボックス内でのフィニッシュワークまで、すべてを極めて高い水準で完遂する。
引いた相手をこじ開けるパワー、カウンター時の推進力、激しいプレッシング合戦を制するスタミナ。リバプールが渇望してやまない要素のすべてが凝縮されている。リバプールというチームのOSを次世代のものへとアップデートする作業に他ならない。
しかし、この夢のようなプランの前には、絶望的なまでに高くそびえ立つ壁が存在する。レアル・マドリードだ。2029年まで契約を残すベリンガムに対し、マドリードは、いかなる交渉の席にも着くつもりはない。
クラブの現在と未来を背負う屋台骨そのもの。資金力でマドリードを屈服させることは不可能に近く、2029年6月までの契約を更新しない判断を下さない限り、このままスペインの首都でプレーすることになるだろう。
いずれにしても、リバプールが大金を投じること、レアル・マドリードからジュード・ベリンガムを引き抜くことはほぼ不可能に近いタスクであり、あくまで噂として楽しみたい…
