“ワンダーボーイ” マイケル・オーウェンが保持していたクラブ最年少得点記録。2016年11月に記録を19年ぶりに塗り替え、一躍 “新ワンダーボーイ” と囃し立てられたのが、リバプール生え抜きFWベン・ウッドバーン。
衝撃的なデビューにも関わらず、その後はいまいちパッとせず。何度かローン移籍をするが、出場機会に恵まれないなどうまくいかず。ただし、今季はプレシーズンで中盤で試されると、コーチ陣を納得させるだけのプレーを見せ、残留の話も話題に上るほど評価を高めた。
それでも、既定路線であったローン移籍は避けられず、スコティッシュ・プレミアシップに1年間レンタルが発表された。移籍先は、昨シーズンにスコティッシュ・チャンピオンシップ(2部相当)で圧倒的強さを誇り、今季からトップリーグに復帰を果たしたハート・オブ・ミドロシアン(以下、ハーツ)。
下馬評を覆し、9試合を終えた時点で強豪セルティックを上回り、勝ち点19でリーグ2位と好調。スティーブン・ジェラード監督率いるリーグ1位のレンジャーズとも勝ち点差1と優勝争いを繰り広げる。得失点差ではレンジャーズを超えており、上々の数字を残している。
今夏の移籍市場における最終盤でハーツに加わってから、6試合連続でスタメン出場。右ウイングや左ウイング、攻撃的ミッドフィルダーと様々なポジションを経験しながらも、恋い焦がれていた出場機会を増やしている。
チームとしても、個人としても順風満帆の時期を過ごしているウェールズ代表FWは、幼い頃から育ったリバプールと今夏から加入したハーツのサポーターを絶賛しており、スコットランドでのプレーを心から楽しんでいる様子を明かしている。
「リバプールとハーツのファンはどちらも素晴らしいね。」
「リバプールのファンは世界最高だし、ハーツのファンは僕がこれまでプレーしてきた中で次に最高だと思う。両クラブとも偉大で、文句の付けようがない。 」
「両方のクラブでプレーできるなんて、本当に信じられない。 」
「サポーターは僕をすぐに受け入れてくれて、ほんとに楽しんでプレーできている。」
「雰囲気は目ざましく、ファンの皆さんにはこれ以上求められないよ。」
2022年6月にはリバプールと契約満了を迎える同選手だが、未来はいまだ不透明。すでに22歳と若手ではなくなってきており、アカデミーに粋の良い10代選手が目白押しの環境もあり、フリートランスファーでの移籍も可能性を帯びてきている。
来年1月からはクラブ合意なしに他クラブと交渉を行え、現時点でプレーに集中できる環境を提供しているハーツ移籍も十分あり得る。ウェールズ代表でもポジションを確保したいベン・ウッドバーンにとって、レギュラーでのサッカーは必ず手に入れたい。
かつてリバプールの未来を担うと言われた逸材に、いまでもリバプールでの未来はあるのだろか…?