今夏の移籍市場でノリッジ・シティに加入したトルコ代表DFオザン・カバク。前所属のシャルケがブンデスリーガから降格し、トップリーグでのプレーを希望する同選手は移籍志願を隠さず、クラブも移籍先を積極的に探していた。
EURO2020でトルコ代表に招集されていたことも理由にあるのか、新天地探しは難航。期限が迫る中、ギリギリでプレミアリーグへの移籍を手に入れた。しかし、今回が初挑戦ではなく、昨シーズンの後半戦をセンターバックが緊急事態に陥っていたリバプールの救世主として、半年間のレンタルで加入していた。
同時期に加わったDFベン・デイビスが一向に出番を得られない一方で、元シャルケDFはナサニエル・フィリップと良好なパートナーシップを形成し、強固とまで言わないが、しっかりと仕事を全うし、買取オプションの行使も可能性も高まっていた。
最終的にはオプション行使に至らず、リバプールはフランスU-21代表DFイブラヒマ・コナテを獲得し、フィルジル・ファンダイクを中心に、ジョエル・マティプやジョー・ゴメスの復活も相まって、プレミアリーグでも屈指のセンターバック陣へと舞い戻った。
それでも、6ヶ月間にわたりアンフィールドに在籍したトルコ代表DF。負傷で試合出場こそ叶わなかったオランダ代表の存在について言及し、トレーニングやドレッシングルームでの会話から多くを学んだ過去を吐露している。
「本当にフィルジル・ファンダイクは好きだね。彼とはトレーニングで一緒にプレーして、彼のスタイルや能力をとても気に入っている。選手としてのお手本にしている。」
「3年前、ガラタサライでのチームメイトが彼と友達だったこともあり、サイン入りのジャージを送ってくれた。昨年はほとんどプレーできなかったけど、いつもドレッシングルームにいてくれ、プレーなどについて話し合った。ヒントをたくさんもらったよ。」
新チームは不調に苦しんでいる。開幕戦でリバプールに敗れると、調子を取り戻せずに、9試合終わった時点でわずか勝ち点2しか稼げていない。ゴール数がたったの2ゴールと決定力の低さを露呈するだけでなく、失点数もリーグ・ワーストと、ここまで不本意なシーズンとなってしまっている。
攻守両面で問題を抱えるノリッジだが、リバプールでのスタートも決して満足のいくものではなかった。加入当初はセンターバックのコンビが定まらず、毎試合別のセンターバックと組まされ、チームはホーム6連敗を喫するなど散々な時期だった。
リバプールを率いているユルゲン・クロップ監督とともに戦った元シャルケDFは、監督としての能力を間近で体験したことを自信に繋げている。また、チーム状況が芳しくない中での加入が楽なものではなかったようだ。
「彼との仕事は楽しかったし、彼を知っていることをとても誇りに感じている。特別な存在で、非常に優れた監督。将来、ふたたび一緒になれることを願っているよ。」
「冬にかけて成績不振に悩まされていたので、リバプールに馴染むのは難しかった。チャンピオンズリーグの試合もあったし、プレミアリーグのライバルもたくさんいたからね。」