ナサニエル・クラインやアダム・ララーナに続き、元サウサンプトン選手が6年間在籍したリバプールから離れるかもしれない。いや、高い確率で来シーズンはその勇姿は見られない。闘う男デヤン・ロブレンに移籍の噂が昨年に続いて加熱している。
クロアチア代表でワールドカップ決勝の舞台にも立った経験豊富なセンターバックは、昨年夏にASローマ加入目前に迫ったものの、クロップの意向を受け残留。ファン・ダイクは絶対的な存在であり、そのパートナーとしてジョー・ゴメスやジョエル・マティップと争っているが、序列では4番手。決して満足いく出場機会に恵まれているわけではない。
ロブレンが移籍を考えるのも至極真っ当。2年間も序列4番手が続けば、誰もが移籍を望むだろう。リバプールとしても契約が残り1年となり、フリーでの移籍は避けたい。契約延長の可能性は乏しく、契約終了6ヶ月前から他のクラブとの交渉が自由になることを考慮すると、リバプールは移籍金を少しでも得るため、今年の夏に売却するしかない。
そんなロブレンにゼニト・サンクトペテルブルクが興味を示している。かつてチェルシーで活躍したブラニスラヴ・イヴァノヴィッチやユーリ・ジルコフ、イラン代表のスターであるサルダル・アズムンらが所属するロシアプレミアリーグの強豪。今シーズンも首位をがっちり確保し、より盤石な体制を手にするため、ロブレンの獲得を目論んでいる。
ASローマもクリス・スモーリングの去就次第では、ふたたび興味を抱くかもしれない。マンチェスター・ユナイテッドからレンタル移籍中のスモーリングはローマの地で復活を遂げた。クラブは当然完全移籍を望み、マンチェスターUと交渉するはずだ。マンチェスターUでは居場所を失っているスモーリングだけにイタリアへの移籍を志願しているとも伝えられる。
FCゼニト・サンクトペテルブルク以外にも、割安で経験豊かなベテランを欲するクラブは多いだろう。新型コロナの影響で、多くのチームが移籍金の縮小を迫られる中、非常に魅力的な選手のひとりだろう。そして、彼の熱さはどこへ行っても衰えることはない。
奇しくも契約満了でクラインがチームをすでに去り、シーズン終了と共にララーナも契約終了で退団。リバプールの育成クラブとも揶揄されたサウサンプトン出身選手が一気に退団する中、ロブレンもこの流れに乗るのだろうか。