セネガル代表FWサディオ・マネがクラブを去った2022年の夏。リバプールはその後釜として、最大8500万ポンド(約138億円)というクラブ史上最高額の移籍金を出し、ウルグアイ代表FWダルウィン・ヌニェスをベンフィカから獲得した。
昨シーズンはポルトガルで41試合34ゴールと脅威的な決定力を見せ付けた23歳フォワードは大きな期待とともにアンフィールドに迎え入れられた。今季はここまで23試合10ゴールを記録しているが、決定機でのミスも多く、決定率の低さは批判の的になっている。
さらには、マンチェスター・シティに移籍したノルウェー代表FWアーリング・ハーランドが恐ろしいペースでゴールネットを揺らしており、移籍のタイミングも重なったこともあり、たびたび比較されては、ゴール数の少ないウルグアイ代表には批判が集まることに。
しかし、この非難に疑問の声を投げかけたのは、プレミアリーグで最も得点を決めた男、アラン・シラーだ。ニューカッスルやブラックバーンで抜群の決定力で数々のゴールを奪ってきた元イングランド代表フォワードは、元ベンフィカFWが世界的なストライカーに成長すると太鼓判を押した。
「今季のプレミアリーグで(ダルウィン・)ヌニェスほどビッグチャンスをふいにした者はいない。」
「移籍金を横並びに、(アーリング・)ハーランドのゴール数と比較し、ノルウェー人の方が安いコストやリバプールの苦戦を理由に、さらに敵ファンから “ただの○○なアンディ・キャロルだろ?” という残酷なチャントがあれば、あまりいい印象を受けないだろ?」
「そのほとんどは著しく不当なものだけどね。ヌニェスは伝統的なセンターフォワードというより、モハメド・サラーやサディオ・マネと同じようなモダンなフォワードであり、ハーランドのようなゴールマシーンではないのは確かだ。」
「少し前までは、1試合おきにゴールを決めれば、ほとんどの選手にとって上出来だと思われていたが、おそらくハーランドやリオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドが、その見方を変えたのだろう。」
「しかし、彼らは異常値であって、標準ではない。誰もができることではない。」
「ユルゲン・クロップ監督のチームは守備が拙く、彼らの大きな問題は中盤でプレスをかけるエネルギーがないのにハイラインを続けることであり、ヌニェスがその大きな要因であるとは思わない。」
「もしヌニェスが継続的に良い機会を得ていなければ、彼とリバプールを心配するところだが、彼はチャンスを得ている。」
「リバプールのシュートやチャンスメイクにおける関与は所属チームだけでなく、ここまでのプレミアリーグでどの選手よりも高い。それは、彼がプレーに絡み、決定的で、意欲的であることを物語っているね。」
「彼には、すべての特性からワールドクラスのストライカーになるための時間が十分にあり、彼を応援し続けるファンを含め、リバプールには彼を助ける知識のある人々がたくさんいるんだ。」
「今は、トレーニンググラウンドで、ひたすら練習し、その苦労に安らぎを見出し、技術を磨くことだ。彼は必ずそこにたどり着くさ。」
The Athletic