プレシーズンでは得点をあげ、好調を維持していたリアン・ブリュースター。コーチ陣にもアピールに成功し、今シーズンはフロントスリーに挑戦するシーズンになるかに思われてた。しかし、コーチ陣の評価は変わらず、序列もディボク・オリギや南野拓実らに後輩を喫し、ローン移籍と完全移籍での可能性を探っていた。ディオゴ・ジョッタの加入で、さらに序列を下げることになる。
これまで獲得レースで先頭を走っていたのは、シェフィールド・ユナイテッド。昨年にプレミアリーグで旋風を巻き起こしたクラブであり、クリス・ワイルダー監督はユルゲン・クロップ監督と最優秀監督を競り合うなど、貴重なイングランド人監督としての存在感を示した。
FWの高齢化や怪我人の影響があり、若いイングランド人FWは魅力的な選手。クリス・ワイルダーはリアン・ブリュスターへの興味を隠さずに、獲得したい意向を示している。昨シーズンの後半戦をチャンピオンシップで過ごし、爆発的な得点力でゴールを決め続けたフォワードは、プレミアリーグでも十分にできるはずだ。
そんな中、クリスタル・パレスがイングランドU21代表FWの獲得に向けて、2500万ポンド(約35億)のオファーを提示し、完全移籍での獲得を目指している。具体的には、1900万ポンド(約26.6億円)を最初に支払い、残り600万ポンド(約8.4億円)が選手やクラブの成績によって追加で支払い義務が発生する。
リバプールもみすみす期待の若手を手放したくない。仮にクリスタル・パレスとの交渉がまとまれば、契約に買い戻しオプションを含む予定。まだオファーについては判断がなされていないが、将来的に3700万ポンド(約51.8億円)でふたたびリバプールに連れ戻すことが可能になる。
クリスティアン・ベンテケが怪我がちで、なお活躍できない状況が続いている。さらに、ウィルフレッド・ザハには移籍の噂が絶えない。ミチュ・バチュアイを再レンタルで獲得しているが、スタメンに君臨するジョルダン・アイェウとのポジション争いがメインになるだろう。もしくは、アンドロス・タウンゼントや新加入エベレチ・エゼとのウイングでの競争も考えられる。
移籍先がシェフィールドになるか、クリスタル・パレスになるのかはわからない。一方、ジョッタのリバプール加入で、残留の道はほぼ絶たれた。レギュラーでの出場機会を手にするためにも、ブリュースター本人も新たなチャレンジを望んでいるはずで、移籍は決して後ろ向きではない。イングランド屈指のストライカーに変化を遂げるためにも、決断の時が訪れている。