ACミランやセビージャで活躍する元リバプールMFスソが明らかにした、イングランドで成功できなかった理由とは?

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Suso reveal the reason レジェンド

『スソ』という名前に懐かしさを憶えるリバプールサポーターも多いだろう。地元カディス(スペイン)で頭角を現し、リバプールアカデミーに加入したのが、2010年。ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズでキャプテンを務めるコナー・コーディらと同時期に在籍し、順調にステップアップし、トップチームで21試合に出場した。

テクニカルなMFは線の細さやプレミアリーグのスピードに苦戦し、印象的なパフォーマンスを残せないまま、2013年には1年間のローン移籍で母国スペイン・UDアルメリアへ移籍。翌年半年間リバプールに残留したが、2015年の冬にACミランへの完全移籍。

ACミランでは主に右ウインガーとして活躍し、左足から繰り出させる正確なパスの数々からゴールチャンスを作り出す一方、右サイドから切り込んでの精度の高いロングシュートは大きな特徴のひとつ。2020年までの在籍期間で、153試合24ゴール36アシストと立派な記録を残した。

ACミランの不調によ激しい監督の入れ替わりでチーム方針が都度変わる状況であり、同じくスペイン人MFサム・カスティジェホの台頭もあり、徐々に出場機会が減少。2020年冬の移籍市場で、セビージャに半年間レンタルされ、夏の移籍市場で完全移籍へと移行。UEFAヨーロッパリーグ決勝では先発で出場し、6度目の優勝の原動力となった。

「試合に出ることは常に望んでいることだし、それを実現していった。リバプールでは監督が変わったタイミングだったし、ミランでも何度も監督が変わった。」

「リバプールを退団したときは怪我の手術後で、ミランでの最初の2ヶ月は回復に努めなくてはいけなかったんだ。5ヶ月間も負傷で離脱していたんだからね。」

「イタリアでは良い時期を過ごせたよ。リバプールと比べると、スペインのサッカーに似ていて、その部分はほんとに良かった。試合のスピードもゆっくりで、組織的で、戦術もしっかりしている。ボールにももっと触りながらプレーできる。すべてが順調だったし、とても楽しい5年間だった。」

ドリブルを多用するプレースタイルのスソにとって、強靭なディフェンダー陣とのフィジカルバトルには、サポーター視点からも苦戦していた様子が伺えた。同じくスペイン人MFで、リバプールでは失敗したルイス・アルベルトがラツィオでは欠かせない存在になっているのも、スソと同様にフィジカルへの適応ができなかったこと、さらには直線的にゴールへ向かうリーグの特性に、自身の強みが合っていなかったと推察できる。

トップチームに在籍した時期も悪かった。アメリカから最悪な共同オーナーがリバプールを買収し、クラブの財政を悪化させている真っ只中であった。チームとしても確固たるサッカーがない中で、雑な補強プランで獲得してきた選手が優先的に起用されてしまう始末。マリオ・バロテッリはそんな迷走している時期の代表格と言える。

こうした時期にアカデミー選手が定着するのは難しく、スソにとってはACミラン移籍がベストな選択だったし、結果論だが輝かしい成績を残した。他の若手選手コナー・コーディやルイス・アルベルトにしてみても、リバプールからの退団が賢明な決断だったし、現在の活躍に繋がっている。

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