今シーズンは不幸なシーズンであった。フィルジル・ファンダイク、ジョー・ゴメス、ジョエル・マティプと主力センターバックが調理離脱を余儀なくされ、ファビーニョやジョーダン・ヘンダーソンら本職ではない選手が穴を埋め、若手DFナサニエル・フィリップスやリース・ウィリアムズも出場せざるを得ない事態に陥った。疲れが見え始めた後半戦から調子は下降線を辿っており、4位フィニッシュが危ぶまれている。
今冬にはシャルケからローン移籍でトルコ代表オザン・カバクとチャンピオンシップからDFベン・デイビスを獲得。後者はいまだ試合出場すら叶っておらず、1試合の経験もなく退団も噂される。一方で、トルコ代表の若手DFは徐々にプレミアリーグに適応し、一定の評価を得ている。買取オプション行使も叫ばれる中だが、ファーストチョイスとしてはまだまだ物足りない。
冬には2選手以外にも獲得交渉が行われていた。そんな中でも筆頭だったのが、マルセイユに所属するクロアチア代表DFドゥイェ・チャレタ=ツァル。移籍市場期限ギリギリでリバプールからオファーの提示を受けた同選手だが、短期間で代役を確保できないとの理由からクラブはオファーを拒否。移籍は実現しなかった経緯を持つ。
昨夏に退団したデヤン・ロブレンと同国代表で、今季29試合に出場しているセンターバックはリバプールへの移籍を考慮しており、ふたたび獲得オファーが届くことを待ち焦がれていると、『Le 10 Sport』が伝えている。現時点で国内リーグ6位につけるマルセイユがチャンピオンズリーグ出場権を確保できなかった際には、本格的に移籍を志願するだろうと予想している。
来季はデジフェンスリーダーであるファンダイクに加え、ゴメスとマティプが戻ってくる。RBライプツィヒDFイブラヒマ・コナテ獲得は正式発表を待つばかりで、先述した通り、オザン・カバクの買取オプションを行使するか否かはリバプールの決定にかかっている。
仮に主力センターバック陣が万全の状態で復帰し、フランスU-21代表に加えて、買取オプションを実行に移す場合、過剰にディフェンダーを抱えることになる。ベン・デイビスやフィリップスの退団がなければ、なおさら。今季のような負傷者の多さが続くとは思えず、潤沢な選択肢を有するクラブがさらなるセンターバック追加に動く可能性は低いと言わざるを得ない。
他方、近年負傷の多さが目立つマティプを見限るなど人員整理を進めた場合のみ、再アタックの可能性が出てくる。確率は限りなく低いが、昨季のプレミアリーグ王者の視線がふたたびマルセイユに向くことがあるのだろうか…