ハーヴェイ・エリオットやマテウス・ムジアロウスキー、カイデ・ゴードン、ボビー・クラークら国内外の有望株を獲得してきたリバプール。一時代を築き、2024年に退任が予想されるユルゲン・クロップ監督から次期監督候補スティーブン・ジェラードへ託すための下地を準備している。
中でも、昨季にブラックバーン・ローヴァーズへのレンタル移籍を選択したハーヴェイ・エリオットの成長率には驚かされる。本職ではないミッドフィルダーにコンバートされた今シーズンは、シーズン序盤から好パフォーマンスを披露すると、レギュラーに定着。惜しくも負傷に泣かされたが、復活後の活躍に期待を覗かせた。
世界的なサイドバックへ成長したトレント・アレクサンダー=アーノルドやカーティス・ジョーンズ、ネコ・ウィリアムズ、リース・ウィリアムズら10歳以下で下部組織で切磋琢磨してきたアカデミー組も台頭しており、明るい未来を想像させる。
まだトップチームでは出番に恵まれない若き才能もU-18やU-23で躍動しており、今までにないくらいにアカデミーが充実している。ベテランの域に入る選手も多い現在の主力組にとって代わり、アンフィールドを歓喜に包むための力を蓄えている。
整ってきた印象が強いが、リバプールは強化を止めるつもりはないみたいだ。『Daily Mirror』によれば、同クラブは弱冠17歳5ヶ月と12日でポーランドのフル代表デビューを飾った同国の次世代エース候補カツペル・コズラウスキーに関心を寄せている。
ミッドフィルダーを主戦場にするポーランドの神童は、ケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)と比較されるほどの逸材で、優れたボールタッチや繊細なドリブル、非凡なパスセンスで攻撃を操る。
現在は母国ポゴニ・シュチェチンに所属する同選手だが、2021年3月28日代表デビューを果たすと、今夏開催されたEURO2020にも帯同し、途中出場ながら2試合で出番を得ている。国内で評価を高め続けるMFカツペル・コズラウスキーをリバプールが放っておくわけもない。
今シーズンも成長が止まらずに、12試合3ゴール2アシストを記録しており、世界中からの注目を集めている。ビッグクラブがこぞって動向を追う中、リバプールは来年の1月にもポラーンドの逸材をアンフィールドに迎える準備を進めている。
創造性豊かなミッドフィルダーは、中盤のクリエイティビティに悩み続ける同クラブにとっては最適なターゲットになり得る。チアゴ・アルカンタラは度重なる負傷に悩まされ、本来の実力を発揮している期間は限定的であり、なにより年齢も30歳と後釜探しは必須だ。
ジェームズ・ミルナーやジョーダン・ヘンダーソンが年齢を重ね、ナビ・ケイタやアレックス・オックスレイド=チェンバレンは本調子を取り戻せずに苦戦している。カーティス・ジョーンズやハーヴェイ・エリオットには大きな期待が集まるが、トッププレーヤーまではもう少し時間を与えなければいけない。
同じく17歳と若手の部類に属するものの、フル代表でヨーロッパでも大きな大会を経験したキャリアは侮れない。プレミアリーグへの順応期間は必要だろうが、リーズナブルな補強として考えられるのではないだろうか。
バイエル・レバークーゼンやACミラン、RBライプツィヒ、レッドブル・ザルツブルクが争奪戦を繰り広げていると言われる有望株を手に入れるのは、どこのクラブになるのだろうか。所属クラブは来夏での売却を目論んでいるとも言われており、去就は注目の的だ…