ナビ・ケイタが復調したかに見えた矢先、ハムストリングの負傷により離脱が決定。負傷癖は今シーズンも抜けず、アレックス・オックスレイド=チェンバレンやカーティス・ジョーンズも決定的な仕事をできずにいる。
大きな期待とともに加入したチアゴ・アルカンタラも、1年半が経っているものの、実質の稼働は半年間のみ。新型コロナ感染や度重なる負傷によって、期待値からはほど遠い貢献度に留まっている。好パフォーマンスを披露していたハーヴェイ・エリオットも長期離脱中で、ミッドフィルダーの枚数が少なくなっている。
オランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥムの退団に伴い、中盤での守備の強度が極端に減っている。ジェームズ・ミルナーやジョーダン・ヘンダーソンらプレスを支え続けた選手たちも年齢が上がり、フル稼働が難しくなってきている。
今夏の移籍市場でも補強ポイントとして挙げられていたワイナルドゥムの後継者問題。負傷者や調子が上がらないプレーヤーが増えており、今年の夏以上に必要性が叫ばれている。ブライトンMFイヴ・ビスマも獲得候補として引き続き報道されているが、フランス代表MFオーレリアン・チュアメニにも強い関心を寄せている。
『Tuttosport』によれば、リバプールはASモナコに所属する若きミッドフィルダー争奪戦でリードしているクラブのひとつのようだ。他には、チェルシーやレアル・マドリード、ユベントスらヨーロッパの強豪クラブらも獲得レースでポールポジションを走っている。
2021年9月にはフランス代表デビューを飾っている逸材は、リーグ・アンでは10試合に出場し、主軸として活躍を続けている。守備的ミッドフィルダーを主戦場に、卓越したボールコントロールやパスで中盤を支配し、高いボール奪取能力で相手の攻撃を防げる大柄なフランス代表MFには以前からメガクラブの関心が伝えられていた。
いまのリバプールにとって、打ってつけの人材だ。ディフェンスラインを高く保つためには、前線から中盤の選手たちによる強度の高いプレッシングが必要不可欠。ヘンダーソンがピークを過ぎ、ワイナルドゥムが去り、それがなくなってしまった。
飛ぶ鳥を落とす勢いでイングランドだけではなく、ヨーロッパでも結果を残し続けた時期には、院展シティの高いプレッシングはプレミアリーグでも一級品だった。あの頃に比べると、明らかに寄せるスピードや激しさが減っており、結果的に広大な最終ラインの裏を突かれる場面も目立っている。
改めて中盤での強度を高めるには、チュアメニやビスマらのように守備に強みを持ったミッドフィルダーの獲得は避けられない。タイラー・モートンら将来有望な若手選手もいるものの、急成長はさすがに期待できず、即戦力クラスの選手が求められる。
争奪戦が熾烈になるため、ASモナコMFの移籍金が高騰している。レアル・マドリードとチェルシーに金銭面で太刀打ちすることは難しく、別のターゲットを視野に入れていても不思議ではない。はたして、どのクラブがフランス代表の若きタレントを獲得するのだろうか…?