ジョーダン・ヘンダーソンやジェームズ・ミルナーらクロップ政権で中核を担ってきたメンバーが年齢を重ねており、ともに30歳オーバー。バイエルン・ミュンヘンから加入したチアゴ・アルカンタラも30代の仲間入りを果たしている。
20代中盤で主軸を任せたいナビ・ケイタやアレックス・オックスレイド=チェンバレンらが際立った活躍を見せられず、負傷も多い。ファビーニョが唯一安定的なパフォーマンスで、中盤の後方からチームを支え続ける。
若手にもハーヴェイ・エリオットやタイラー・モートンもいるものの、もう少し時間が必要。『Record』によれば、リバプールはプレミアリーグでのプレー経験を持つFCポルトMFヴィトールに関心を寄せている。なお、他にもイングランドクラブが興味を抱いており、争奪戦が展開されているようだ。
2024年までFCポルトと契約を結ぶ22歳のミッドフィルダーは、ポルトガルU-21代表で22試合に出場しており、昨シーズンはウルバーハンプトン・ワンダラーズでもプレー。ローン移籍先では、リーグ戦19試合に出場したが、そのほとんどが途中出場と、ポルトガルの先輩であるルベン・ネヴェスやジョアン・モウティーニョの牙城を崩すには至らなかった。
ウルブスはわずか2000万ユーロ(約26億円)で買取もできたが、オプションを行使せず、自国ポルトガルに戻ることに。しかし、この移籍が吉となり、セルジオ・コンセイソン監督率いるチームの主軸を担い、全大会合わせて38試合3ゴール3アシストをここまで記録している。
ハードワークも厭わず、攻守両面において存在感を発揮できるタイプで、中盤でのボールインターセプトから自らドリブルで持ち運び、前線に決定的なパスも供給できる。ジョルジニオ・ワイナルドゥムほどの強さは見受けられないが、1年越しでの代役獲得になるかもしれない。
リバプールでは、とくに守備的ミッドフィルダーは補強ポイントとして挙げられる。現状だと本職はファビーニョのみで、控えは若きMFモートンのみ。ジョーダン・ヘンダーソンやジェームズ・ミルナーも対応できるが、年齢もあり、ファビーニョに万が一があった場合には心許ないバックアップ陣容だ。
ブラジル代表MFほどのボール奪取能力を備えているとは思えないが、チェルシーMFジョルジーニョのように、ボールを散らせるタイプのアンカー・マンにはなれそうな気配を感じる。タイプ的にはもっと対人にも強い選手が理想的だが、インサイドでの起用も考えると十分な戦力になり得る。
2023年まで契約を残すケイタやオックスレイド=チェンバレンの去就もにわかに慌ただしくなりそうな時期だけに、ミッドフィルダー陣の入れ替えのタイミングが訪れていそうだ。
はたして、4000万ユーロ(約52億円)まで跳ね上がっていると言われる移籍金を支払い、コロンビア代表FWルイス・ディアスに続いて、ポルトガルから新戦力獲得なるか…?