2020年の冬に、RBザルツブルクからリバプールに加わった日本代表FWは貴重なチームメンバーとして起用に応え続けている。今季はカップ戦を中心に出場し、ともに優勝したカラバオカップとFAカップ合わせて、9試合7ゴールと脅威の決定率を誇っている。
序盤戦は対戦相手のレベルが低いこともあり、純粋に比較は難しいが、それでも立派な活躍ぶり。プレミアリーグでは出場時間の確保に苦戦しており、試合終盤での投入も多い。そんな中での11試合3ゴールは十分な結果と言えるが、コロンビア代表FWルイス・ディアスの加入でベンチ外が増えてしまった。
久々にプレミアリーグで先発したサウサンプトン戦では、先制されて難しい試合展開においても、右足を振り切った思い切りの良いシュートでゴールを奪い、主力を温存したゲームでの勝利に大きく貢献している。
ただし、サッカー選手にとって、ベンチを温めるだけでも屈辱的な上、ベンチ外はさらに精神的にキツイ。同じような立場に置かれるアレックス・オックスレイド=チェンバレンにも移籍の噂が飛び交っており、ディボク・オリギはACミランと契約合意した模様で、リバプール退団が刻一刻と迫っている。
日本代表フォワードは、この冬にも退団やローン移籍の可能性が報じられたものの、選手の強い希望もあり残留を果たした経緯がある。しかし、今夏の移籍市場での退団は不可避にも思え、レギュラーとしてプレーできるクラブを求めるであろうというのが大半の予想だ。
デイビッド・リンチ氏(サッカー・ジャーナリスト)によれば、南野拓実の移籍金を1700万ポンド(約23.8億円)前後に設定しており、RBザルツブルクから獲得する際に費やした金額の約2倍での売却を望んでいるようだ。
移籍先の候補として真っ先に思い浮かぶのは、この冬にも関心を示したリーズ・ユナイテッド。問題となるのは、同クラブが降格争いに巻き込まれていることであり、プレミアリーグ最終節の行方次第では可能性がゼロになる。
豊富な運動量を持ち、90分ピッチ全体を走り回れる。加えて、守備への意識も高く、献身性もある日本代表フォワードは、ゴール前の決定力に悩む課題も解決してくれる選手になり得るかもしれない。ただ、その前に乗り越えなければならない課題は大きい。
同ジャーナリストは、さらに昨シーズンのセリエA王者インテル・ミラノの名前を挙げている。ロメウ・ルカクを失った後釜として獲得した元ローマFWエディン・ジェコは前半戦こそ目立っていたが、徐々にゴールから遠ざかっている。
また、シーズン中盤には “エース” ラウタロ・マルティネスが大ブレーク。全く得点を奪えない時間が続いていた。終盤に向かっていくに従って、徐々に本来の能力を取り戻したアルゼンチン代表FWの控えに、リバプールFWは打ってつけの人材にも思える。
今季の決定率や貢献度からすれば、他にも関心を示すクラブが増えるだろう。リバプール・サポーターとして退団は残念だが、ベンチにも入れない現状から移籍は仕方ない。新天地はどのクラブになるのか、今夏の移籍市場から目が離せない…!