タイやシンガポールでのアジアツアーを終え、ヨーロッパに戻ってきたリバプール。主力組が徐々にコンディションを高める一方で、当落線上の選手たちや若手選手にとっては、トップチームに帯同し、首脳陣にアピールする大チャンス。
ハーヴェイ・エリオットやファビオ・カルヴァーリョら10代プレーヤーがこぞって印象的なプレーぶりで、マンチェスター・ユナイテッドやクリスタル・パレス、RBライプツィヒらとの試合で、新シーズンに向けて期待が高まり続けている。
中でも、弱冠17歳のスペインU-18代表DFステファン・バイチェティッチは、昨季トップチームで複数の試合に出場したタイラー・モートンを押し退けて、アンカー・マンとして落ち着いたプレーを見せ付けており、急成長を遂げている。
セルタ・デ・ビーゴの下部組織出身で、2021年1月にリバプールに加わった若き逸材は、リバプールU-18チームでは主にセンターバックとしてプレー。昨シーズンは、一つ上のカテゴリー “プレミアリーグ2” でも出番を得て、順調なステップアップを果たしている。
スペインU-18代表DFのパフォーマンスに驚いているのは、何も現場やサポーターだけではない。リバプール・レジェンドでもあるフィル・トンプソンもそのひとりで、パスやビジョン、精神力を高く評価している。
「（ステファン・）バイチェティッチは、まるでホールディング・ミッドフィルダーのようにプレーしているし、プレッシャーを受けながらもセンターバックからボールをもらい、スペースに回している。」
「足元でボールを受けて戻すのではなく、自信を持って前に出している。」
「（ステファン・）バイチェティッチがピッチに入ると、彼はボールを回し、1本のパスで相手の選手を3、4人ほど無効化してしまう。なぜなら、彼には自信と能力があるからだね。」
「それは、アカデミーでの指導からきているもので、どのようにやるか、どのエリアでは安全にボールを持たなければならないかなど、周囲に気を配らなければならない。」
「（ステファン・）バイチェティッチは、誰がフリーでいるかを分かっており、そのスペースにボールを回しているんだ。」
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今夏には、同じポジションのフランス代表MFオーレリアン・チュアメニ獲得に乗り出したリバプール。ファビーニョの負担軽減のために、新たな守備的ミッドフィルダーが必要なチームにおいて、攻守両面で高い能力を示した若きミッドフィルダーは重要な戦力になるかもしれない。
元々はセンターバックだけに守備センスも高く、前線へのパスや足元の技術もスペイン人らしく的確で、ボール保持も17歳とは思えないほどの落ち着きを見せる。フィジカル面はさらに改善が必須だが、カタールW杯が控える多忙なシーズンだけに、カップ戦などを中心に出場機会を与えても面白そうだ…