昨シーズンは得点力が爆発したフラムの攻撃陣を引っ張り、38試合11ゴール8アシストを記録。アレクサンダル・ミトロヴィッチやハリー・ウィルソンとの攻撃は迫力抜群で、チャンピオンシップ優勝を制し、今季からのプレミアリーグ昇格を置き土産に、ファビオ・カルヴァーリョはリバプール移籍を果たした。
プレシーズンでも非凡な才能を存分に見せ付け、ボールタッチやドリブル、パスセンスの高さは一級品。リバプールでポジションを得るためには、プレッシングなど守備におけるタスクを身につける必要もあり、選手個人としてもプレミアリーグ仕様のプレー強度やフィジカルにアップグレードしなければならない。
コミュニティ・シールドや古巣フラムとのプレミアリーグ開幕戦では途中出場でピッチに立つと、試合を決める活躍こそできていないが、ひとつひとつのプレーに質の高さを感じさせた。リバプールの黄金期をセンターバックとして支え、現役引退後はコーチなどを務めたDFフィル・トンプソンも、ポルトガルU-21代表MFの虜だ。
「ファビオ・カルバーリョは、素晴らしい選手になりそうだ。」
「彼の年齢や若さからそう思うだろうが、チャンピオンシップで1年、あれはタフなリーグなんだ。」
「フラムでの彼のプレーは十分に見てきた。全試合を見たわけではないが、彼がゴールと同じくらいもたらしてくれるのはアシストだ。」
「（アシストで）チームを助けることはできるが、デビッド・ベッカムのようなものが必要で、それこそがファビオ・カルヴァーリョだ。彼はスター選手になり、みんなを驚かせるよ。」
Off the Ball
プレミアリーグの速さや強度に慣れ、チームメイトらとの連携さえ高まれば、さらなる活躍が期待できる。現状は左ウイングでのプレーが多いが、インサイドハーフやセンターフォワードでもプレーできるだけの器用さがあり、別のポジションで大ブレイクするやもしれない。
いずれにしても、その才能に疑いの余地はない。今シーズン中にスタメンに割って入ることは難しいにしろ、来シーズンには現時点でのスタメン組から定位置を奪取すること十分にあり得る。
フィル・トンプソンじゃないが、ハーヴェイ・エリオットらとともに、次世代のリバプールを作る選手であることに変わりなく、今後のパフォーマンスは見逃せない…