2010年にQPRからリバプールに加入した若かりし頃のラヒーム・スターリング。U-18チームで力を磨き、トップチームに昇格すると、ルイス・スアレスやダニエル・スタリッジらとともに強力攻撃陣を形成。クラブでは通算129試合23ゴール25アシストを記録していた。
アンフィールドで期待の星になった矢先、さらなるステップアップと高額な給与を求めて、同フォワードはマンチェスター・シティに移籍。この移籍劇に対して、サポーターたちは裏切りを感じ反感を買うと、その後のリバプール本拠地での戦いではブーイングの的にされてきた。
ジョゼップ・グアルディオラ監督のもとで成長を遂げた同選手は、339試合で131ゴールを挙げ、イングランド代表でも絶対的な地位を築いた。しかし、近年は衰えが目立ち、世代交代の波に押し出される形で、昨夏の移籍市場でチェルシーに移籍していた。
海外メディア『The Athletic』によれば、イングランド代表FWにとって、チェルシーは第一希望ではなく、リバプール移籍を希望していたようだ。しかし、ユルゲン・クロップ監督は関心を示さずに、積極的な補強を繰り返しているロンドンのクラブに落ち着いた。
アンフィールドでデビュー当時のスターリングは切れ味鋭いドリブル突破や脅威的なスピードでゴールに迫ったが、スピードタイプだけに年齢の影響をもろに受けている。今シーズンはハムストリング負傷もあり、22 試合で6ゴールのみ留まっている。
現実的にリバプール移籍は無謀な希望だった。アンフィールドのサポーターの感情を逆撫でするような補強は関係性を壊す。加えて、全盛期を過ぎて、プレースタイルの変更もできていない選手を獲得するのはリスクが大きすぎる。
さらには、ルイス・ディアスやディオゴ・ジョッタらすでに在籍しており、ファビオ・カルヴァーリョ獲得も決まっていたため。左ウイングを主戦場とするウィンガーの枚数も十分に足りていた。まぁ、足りていなくともイングランド代表FWの希望を叶える世界線はなかっただろうが。
いずれしても、スターリングがアンフィールド復帰を第一優先に考えていた事実は驚き。過去の記憶がそうさせるのか…はたして、元マンチェスター・シティFWはプレースタイルを変え、キャリアをふたたび浮上させることができるのか…?