ベンフィカに所属していた2016年には、EURO2016で優勝したポルトガル代表にチーム最年少として招集されると、大会最優秀若手選手賞にも選ばれるほどの大活躍を見せたリスボン出身MFレナト・サンチェス。
同大会での活躍が認められ、ドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンにステップアップ。しかし、出場機会に恵まれず、出番を得た試合でもパッとせずに現実を突きつけられることに。スウォンジーへのレンタル移籍も助けにならず、2019年にはリール(フランス)に放出された。
ただし、この移籍が功を奏す。リーグ・アンでキャリアを立て直すと、2022年には同リーグで圧倒的な強さを誇るパリ・サンジェルマンに移籍。ところが、毎年のように中盤にビッグネームを補強するクラブでは実力を発揮できずに、また負傷癖からも抜け出せずに、今シーズンはわずか20試合の出場に留まっている。
いまだに25歳と若い同選手だが、パリでの生活が終焉に向かっているとも噂され、今夏での退団も伝えられている。海外メディア『90min』によれば、PSGに移籍する際に関係が頻繁に報じられたリバプールが動向を追っており、新天地候補のひとつに挙げられているようだ。
ニューカッスルやトッテナム・ホットスパー、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ、アストン・ヴィラなどプレミアリーグで戦う複数クラブも同様に獲得の可能性を探っており、ポルトガル代表MFを巡る争奪戦は激しくなりそう。
豊富な運動量やダイナミックなプレースタイルはクロップサッカーには適している。しかし、毎試合で高い強度を求められるサッカーにおいて、負傷癖は厄介だ。ナビ・ケイタやアレックス・オックスレイド=チェンバレンら今季限りでの退団濃厚な選手たちも、コンディション調整に苦しんだ。
現時点でジュード・ベリンガムやマテウス・ヌネス、メイソン・マウントらが優先ターゲットとなっており、シーズンを通して試合に出ることが難しいミッドフィルダーに対して、全力を傾けることはあり得ないだろう。
今回の報道が真実だったとしても、あくまで保険の保険の保険くらいの立ち位置と言っても過言ではない。ケイタやオックスの二の舞を避けるためにも、怪我に強い選手が優先されるべきで、いくら能力が高くても補強候補からは外れるだろう…