前節ワトフォード戦と同様に敵地で5得点を奪い去り、マンチェスター・ユナイテッドを粉砕したリバプール。エジプト代表FWモハメド・サラーがハットトリックを達成し、ナビ・ケイタやディオゴ・ジョッタもスコアシートに名を連ね、まさに圧巻のチームパフォーマンスを披露した。
攻撃陣が注目される一方で、クリーンシートも達成しており、守備陣の頑張りも称賛に値する。後半こそ退場者を出したマンチェスター・ユナイテッドは不可解な選手交代で攻める意欲をなくし、割と簡単な対応となった。
それでも、前半はブルーノ・フェルナンデスを中心に攻撃を組み立て、枠内シュートの回数こそ少ないが、幾度となくゴールに迫った。クリスティアーノ・ロナウドはオフサイドとなったものの、ゴールを奪っており、一矢報いるチャンスも。
しかし、リバプールは最後の最後まで集中してディフェンスを行い、強豪クラブを無失点に押さえ込んだ。アリソン・ベッカーやフィルジル・ファンダイク、アンディ・ロバートソンやトレント・アレクサンダー=アーノルドらが最終ラインを固める中、新加入DFイブラヒマ・コナテが久しぶりに先発の座を手に入れた。
昨シーズンには瀕死状態だったセンターバック陣を支えるため、また次世代ディフェンダーを確保するためにも、大きな期待を持って歓迎されたフランスU-21代表DFの加入。屈強な体躯に加えて、恵まれた高身長、前線へのパスや抜群のスピードも兼ね備えた現代的なセンターバックは、昨日の試合までわずか2試合の出場に留まっていた。
そんな中で、オールド・トラフォードという緊張感が満載の試合で、2021年9月21日カラバオ・カップ3回戦ノリッジ戦以来の出番を得た同選手は、全く浮き足出すことなく、終始安定したプレーぶりでクリーンシートに貢献。
『BBC Sports』で、今回の大一番の解説を担当した元プロ・サッカー選手のガース・クルックスは、目立つ活躍ではなかったが、静かながら素晴らしいプレーを披露したフランスU-21代表DFに対して、称賛の言葉を送っている。
「リバプールがトップ4を争うライバルに5-0と圧倒した試合で、(ファンダイクの)パートナーのイブラヒマ・コナテは静かながら傑出した活躍を見せた。オールド・トラフォードでのリバプールによる偉大な勝利のひとつとして語り継がれるだろう。」
「今夏、RBライプツィヒから移籍したフランス人センターバックは、最も新しいプレーヤーだが、ぴったりとフィットしているね。」
いきなりの先発出場にも関わらず、マンチェスター・ユナイテッドの強力フォワード陣を完封。強さと速さで相手に自由を与えず、ゴールに近づけさせず。大量得点が続くリバプールだが、複数失点を喫する試合も多かったクラブに希望の光が見えた試合だろう。
ジョエル・マティプ、ジョー・ゴメスらとともに、オランダ代表DFフィルジル・ファンダイクの相棒争いはさらに激化。クロップ監督にとっては嬉し過ぎる悲鳴ではあるが、センターバックだけにころころと変えるのは得策とは言えない。
熾烈なポジション争いを勝ち抜き、レギュラーを勝ち取るのは誰になるのだろうか…?