ジョーダン・ヘンダーソンとサディオ・マネのゴールで、試合開始24分までに2点のリードを奪ったリバプール。前々節と前節では5得点を奪い、アウェーの地で記録的な大勝を成し遂げたクラブには、先週末には大量得点での勝利が頭をよぎった。
しかし、徐々にブライトンが試合を支配するようになる。前半終了間際には、見事なミドルシュートで1点差に詰め寄ったアウェーチームは、後半はほとんどの時間帯で優位に立ち続け、同点ゴールを奪って貴重な勝ち点1を手に入れた。
勝ち越し点を得てもおかしくない試合展開に、冷や冷やしたリバプール。なんとか引き分けで終わったチームには、敗戦にも似た雰囲気が漂っていた。一方で、ブライトンは勝ち点3を獲得できなかったことに落胆しているに違いない。
昨シーズンのプレミアリーグ3位に対して、堂々としたプレーで対等な戦いぶりを見せた同クラブ。昨季は得点力不足に悩み下位に低迷したものの、今シーズンは爆発的な得点力とまではいかないが、十分な数のゴールを奪っており、リーグ戦で好調を維持している。
強固なディフェンスも相まって、かねてから評価の高いグレアム・ポッター監督が真価を発揮している。アンフィールドでは強力なスリートップに決定的な仕事をさせず、プレッシングを交し続け、効果的なサッカーを展開した試合を振り返り、チームパフォーマンスを絶賛してやまない。
「以前にも言ったように、チームとして良いプレーをし、良いディフェンスをしなければなりません。」
「マルク・ククレジャはモハメド・サラーに対して素晴らしいプレーをしたと思う。両選手とも劣らず、優秀なプレーヤーだよ。」
「明らかに、サラーは信じられないほどの好調さを続けている。リバプールが優位性を保っていた時間帯には、あまりプレッシャーをかけることができずに苦しんでいた。」
「ただ、とても微妙なラインで、多くの選手が前に出してしまうと、大きなスペースができてしまう。そして、そのスペースを一瞬で突破できる選手たちが相手チームにいたからね。」
「前半に調整してからは、少し良くなったと思う。」
「チーム全体でよく守り、ブロックやカバーリングを行い、チームパフォーマンスは素見事だった。」
中盤に負傷者が相次ぎ、ジョーダン・ヘンダーソンが守備的MFに下がったこともあり、ピッチの真ん中で激しいプレスをかけられなかったホームチーム。簡単にマークを外され、ハイラインを保つ最終ラインの裏で自由に攻撃をさせてしまった。
ファビーニョ不在の影響を感じざるを得ない試合展開となったが、今夏退団したオランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥムの存在を思い出す人も多かったはず。
ナビ・ケイタやカーティス・ジョーンズ、アレックス・オックスレイド=チェンバレンらのセットでは激しいプレッシングを維持することが難しく、夏の間ずーっと話題に上がっている運動量豊富で、守備面でも強みを発揮できるブライトンMFイヴ・ビスマのような選手が必要であると証明したゲームだった。
資金力が潤沢ではないクラブだけに、誰それと選手を獲得できない。現有戦力の底上げを行うのか、外部から守備的ミッドフィルダーを補強するのか、リバプールには対応策が求められる…