今季のリバプールはチャンピオンズリーグで脅威的な強さを見せており、死の組とも言われたグループステージを全勝で突破。最終節は主力組を温存して望んだにも関わらず、ACミランの本拠地サン・シーロで勝利を手にした。
イングランドのクラブとして初めて全勝でのグループステージ通過を決め、歴史に名前を刻んだリバプール。決して楽勝で試合を終えたわけでもなく、運に恵まれた部分もあったものの、それでも最後には白星を手に入れ、チーム力と底力を証明してみせた。
スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァで行われた試合では、グループ通過を狙うACミランは勝たなければならず、試合序盤から攻勢を仕掛ける。一時はアリソン・ベッカーは弾いたボールを押し込んだ元チェルシーDFフィカヨ・トモリの得点でリードし、一縷の望みを掴んだ。
しかし、モハメド・サラーとディボク・オリギのゴールでアウェーチームが逆転。終了間際にも積極的に攻撃に転じたACミランだが、同点ゴールを奪えずに、試合はそのまま終了。勝ち切る強さをまじまじと見せつけた格好だ。
ベルギー代表が2試合連続ゴールで注目を浴びる中、センターバック陣にも称賛の声が挙がっている。フィルジル・ファンダイクやジョエル・マティプには休息が与えられ、ここまで6試合の出場に留まっていた新加入DFイブラヒマ・コナテと、わずか46分間しかプレーしていなかったナサニエル・フィリップスにチャンスが巡ってきた。
稀代のストライカーであるズラタン・イブラヒモビッチや、新進気鋭のMFブラヒム・ディアスらが形成する強力な攻撃陣に自由を与えずに、たった1失点のみで抑えたのはお見事。昨夜までほとんど試合に出ておらず、試合に慣れる必要もあったことを考えれば、評価されて然るべきだろう。
チームを率いるユルゲン・クロップ監督も2人のセンターバックを手放しで称賛しており、パフォーマンスは並外れたものであったことを明言している。
「ナサニエル・フィリップスとイブラヒマ・コナテは並外れた試合をしたと言わざるを得ないね。今夜のデフェンスは傑出しており、彼らを本当に、本当に誇りに思っている。」
https://www.liverpoolfc.com/
来年1月には退団も噂されるナット・フィリップスにとって、今回が最後のプレーとなる可能性も高い。昨シーズンには最終ラインを支えた元ボルトンDFには、複数のプレミアリーグ・クラブが関心を抱いており、新たなキャリアをスタートさせるかもしれない。
今夏加わったフランスU-21代表DFは、マンチェスター・ユナイテッド戦ではクリスティアーノ・ロナウドを封じるなど世界をリードするストライカーとの経験値を積み重ねている途中。将来的には、オランダ代表DFに代わり、ディフェンスラインを引っ張る役割を期待されている。
ジョー・ゴメスも怪我から復帰しており、今後このコンビを見れる機会はない確率が高い。脅威のヘディング能力と有するフィリップスと、強靭な肉体と運動神経を誇るコナテの最終ラインは、パワフルさ満点。できれば、他の試合でも試合を見たい気持ちが抑えられない…