これまでも印象的なゴールで、チームを救ってきたベルギー代表FWディボク・オリギ。チャンピオンズリーグを制覇したシーズンの準決勝では、リオネル・メッシ擁するバルセロナを相手に意表を突くゴールで決勝進出に貢献。
決勝戦でも追加点を奪い、一躍シンデレラ・ボーイに。プレミアリーグでも、エバートン戦でジョーダン・ピックフォードがクリアし損なったボールを押し込み、劇的ゴールを奪うなど記憶に残る得点を挙げることも多い。
スタメンで試合を通して脅威になり続けるタイプの選手ではないものの、ここぞというときの底力には光るものがある。先月行われたウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ戦では、ゴール前で苦戦し続けたリバプールを救う土壇場ゴールを決め、ヒーロー扱いを受ける。
さらには、チャンピオンズリーグ・グループステージ最終節ACミラン戦では先発に名前を連ねたベルギー代表FWは、ヘディングで逆転ゴールを奪取。2試合続けて貴重な得点を決めた同選手は、UEFAによるマン・オブ・ザ・マッチに選出されている。
リバプールやレアル・マドリード、ニューカッスル、マンチェスター・ユナイテッドなどを渡り歩いた元イングランド代表FWマイケル・オーウェンは、フロントフォーとの実力差を明確にした上で、貴重なゴールを挙げてきた得点力を評価している。
「(ディボク・)オリギはいくつか重要なゴールを決めており、リバプールの歴史に残るだろう。」
「彼はスタメンの4選手には及ばず、1つ下のレベルだが、インパクトを残せる選手であれば、必ずしも問題にはならない。アフリカネイションズカップの期間中、彼はチャンスを手にする。彼が決めてきたゴールを無視することはできない。」
「それに、オリギはクロップの心を掴んでいる。アフリカネイションズカップ開催中でも、新たなストライカーを買う必要はないね。バルセロナ戦でのゴールを思い起こせば、彼が本能的に卓越したフィニッシャーだと言い切れる。」
「多くの人がサラーとマネを失うことを考えるだろうが、ジョッタやフィルミーノ、オリギがいれば、リバプールが数試合のために補強する必要性はないと思う。」
オーウェンの発言通り、アフリカネイションズカップではリバプールが有する稀代のストライカーの2人を失う。得点能力が落ちるのは確実で、冬の移籍市場で新たなフォワード獲得の噂は日々絶えない。
それでも、高い身長でポストプレーヤーにもなれるディボク・オリギに加え、ピッチを走り回れる日本代表FW南野拓実、若き才能カイデ・ゴードンらがバックアップに控えており、思いの外、大きな影響を与えない可能性もあり得る。
それでも、難しい試合でのモハメド・サラーやサディオ・マネの勝負強さは圧巻。枚数自体は問題なさそうだが、人数をかけて守備を固められた相手やシーソーゲームとなった場合に、相手の守備網を崩し、相手の攻撃に対して反撃できるかは…誰にもわからない…