ジョーダン・ヘンダーソン、すでにレジェンドの仲間入り?

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ヘンダーソンとクロップ キャリア

2010年夏に就任したロイ・ホジソンの後を継ぎ、“キング”・ケニー・ダルグリッシュがリバプール指揮官として招集される。今から振り返ると暗黒期とも言えるクラブに2011年にサンダーランドから若手イングランドMFが加わった。£20mにも上った移籍金は当時批判の対象となるなど、リバプールサポーターからも決して歓迎されたわけではなかった。

サンダーランドではトップチームで79試合に出場し、5ゴール11アシストを記録。若手として決して悪い数字ではない。ただ、シャビ・アロンソが去って以来、トッププレーヤーを求めていた状況下で、チャーリー・アダムなどと並び、サポーターを納得させるだけの実績とは言えなかった。

また、クラブでは生きるレジェンド、スティーブン・ジェラードが君臨。常に比較に悩まされ続け、初めてのビッグクラブでパフォーマンスは低調のまま、1年が過ぎた頃には放出を促されるほど、リバプールでのキャリアはすぐに終わると思われた。

それでもヘンダーソンは諦めなかった。ブレンダン・ロジャース政権下でもスタメン奪取。“SSS”(スアレス、スターリッジ、スターリング)を有して、惜しくも優勝を逃したシーズンの翌年にはキャリアハイのゴール数とアシスト数(6ゴール9アシスト)を叩き出すもの、チームはリーグ6位に沈み、ヘンダーソン本来の姿はまだまだ見られなかった。

この後、立て続けに転機が訪れる。ジェラードたこと。もう一つは、に就任したことである。

キャプテン・ヘンダーソン

2014/15シーズンを最後にアメリカへと旅立ったジェラードの退団に伴い、ガッツ溢れるプレーを見せ、副キャプテンを務めていたヘンダーソンへとアームバンドが引き継がれた。ジェラードに引っ張られていた時代と打って変わり、キャプテンとしての意識の変化がヘンダーソンを一段階上のレベルへと引き上げた。

それから数ヶ月、ユルゲン・クロップが監督の就任が発表される。ゲーゲンプレスを信条に、一時経営危機にも陥っていたドルトムント。確かな選手の目利きと、アカデミー選手の抜擢で、当初は少ない移籍金だけにも関わらず、ドルトムントを国内最強のバイエルン・ミュンヘンと争えるレベルまで押し上げた張本人。それがユルゲン・クロップである。

のちにマンチェスター・Uからも誘いがあったと告白していたが、クロップはリバプールを選び、監督業を休業を早めて、2015年10月にチームに合流。初年度こそ、リーグ8位に終わったが、以降は常にチャンピオンズリーグ圏内にクラブを導き、見事に立て直した。いまや世界でも有数のクラブの名を欲しいままにしている。

激しいプレースタイルが基本のクロップサッカーに、ヘンダーソンのプレースタイルはぴったり適応した。ファビーニョが加入するまでは、アンカーとしての役割を担っており、長短のパスやボール奪取能力、キャプテンシーをいかんなく発揮し、見事に中心人物としての成長。

ジェラード?ヘンダーソン?

ポジショニングや戦術理解度も爆速的に向上しつつも、精神的な支柱として、様々な国々や若手が揃うリバプールをうまくまとめ、時にはパッションをあらわにし、かつでジェラードが全うした役割を体現している。

ジェラードとヘンダーソン。どっちが上か。そんな問題ではない。それに、低迷期を率いたジェラードと、上り調子のリバプールに在籍するヘンダーソンで環境はまるで違う。

ただ、ヘンダーソンが名実ともにレジェンドの仲間入りを果たしている。2年連続でチャンピオンズリーグ決勝に進み、うち1回はトロフィーを掲げた。続くスーパーカップやクラブワールドカップでも優勝し、約半年間で3回もトロフィーを掲げる偉業を成し遂げる。プレミアリーグのクラブでは初の快挙。

プレミアリーグでも昨シーズンこそ、マンチェスター・シティに軍配が上がったが、今期は昨年以上にダントツで首位に立っている。勝負強さを手にし、ゲーゲンプレスだけではなく、いなすフットボールを覚えたリバプールに隙は全くない。

プレミアリーグになって以来はじめて。1990年以降30年間手に入れることができなかったプレミアリーグ制覇を、ヘンダーソン率いるリバプールが成し遂げる日も近い。

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