リバプールやレアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘンと名だたるクラブで活躍し続けた元スペイン代表MFシャビ・アロンソ。正確無比な長短のパスで攻撃にリズムを生むだけでなく、一発のロングパスでシュートチャンスを作り上げる。
稀代のパサーとして、アンフィールドではスティーブン・ジェラードとはプレミアリーグ屈指の中盤を形成。攻守にバランスに優れたミッドフィルダーは、チャンピオンズリーグ制覇に貢献。逆転勝利に繋がる3点目を挙げ、イスタンブールの奇跡を成し遂げた。
リバプール時代の最後には、ガレス・バリー獲得を熱望したラファ・ベニテス監督との不仲が伝えられ、2009年の夏にレアル・マドリードに加入。スペインでも自慢のパスに磨きをかけ、2014年にバイエルン・ミュンヘンに加わるまで、中盤の主軸を担っていた。
現役引退後は、アカデミーを過ごし、トップチームをデビューを果たしたソシエダに帰還。2019年からレアル・ソシエダBの監督として、若く才能豊かな選手たちを指導。セグンダ・ディビシオン(2部相当)では、他のトップチームとの戦いを繰り広げている。
指揮官の下積みを続ける元リバプールMFには、昨シーズンの途中ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ブンデスリーガ)監督就任に近付いたものの、最終的には古巣クラブに残留。同監督は『The Athletic』とのインタビューに応え、強豪クラブを率いる夢を明かしつつも、急いではいないようだ。
「誰しもそれぞれの判断軸を持っている。」
「押し付けられるのではなく、自らの手で歩みを進めるようにしている。」
「エリートチームの監督になりたいという野望はあるが、焦っているわけではない。現在の状況にはとても満足している。今のところは、今年のセグンダ・ディビシオンで残留することに集中している。」
一方で、古巣クラブにも満足しており、様々な面で成長を止めない。リーグ2部残留を目論むレアル・ソシエダBにさらなる飛躍をもたらすために、シャビ・アロンソ監督は奔走し続ける。
「何年も地元を離れていても、故郷に戻る瞬間は必ずある。」
「新しいキャリアを始めようと、忍耐を用しながらも、多くのサポートを受けながら学べると思い、ここに(監督業を)学びに来た。」
「ここにはサポートや設備、必要なコミュニケーションと、とても明確なモデルがあり、すべてが自然で流動的だ。このプロセスは自分自身を知り、改善を行いながらも、間違いを犯すことを許容してくれる。」
「ここでは、もう少し学べるだろう。選手たちも、トレーニングやプレー、コミュニケーションや説明の仕方など、たくさんのことを教えてくれる。3年目のシーズンになるが、順調に行っているよ。」
ラファ・ベニテスやペップ・グアルディオラ、カルロ・アンチェロッティ、ジョゼ・モウリーニョら名将と呼ばれる監督の指導を受けてきた現役時代。当時のエッセンスに加えて、レアル・ソシエダで培っている経験を融合し、世界的な名将へと変貌を遂げる日も近い…?